バイタルネット(新潟市)が7-6でロキテクノ富山(上市町)との接戦を制し、2年ぶりに代表決定戦に進出した。

上越市出身の最速152キロ左腕、先発の江村伊吹投手(25)が6回2/3を投げ、4安打2失点(自責0)の好投。江村の投球に打線も12安打7得点で応えた。終盤にロキテクノ富山の猛反撃を受け、1点差まで迫られるが逃げ切った。バイタルネットは14年以来の本戦出場を懸け、5日に代表決定戦で信越硬式野球クラブ(長野市)と対戦する。

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初回からエンジン全開だった。「組み合わせを見た時から(ロキテクノ富山が)来ると思っていたので、事前からいい準備が出来た」と江村はロキテクノ富山の1番横山圭佑遊撃手(24)に投じた初球から自己最速に迫る149キロを連発。横山には四球で出塁を許し、犠打で1死二塁とされる。だが後続を中飛、見逃し三振で打ち取って乗った。

江村は「中盤から球が、たれることが多かったので変化球で補いながら」と回が進むと変化球の割合を増やした。的を絞らせない投球で、5回まで許した安打は1本と相手打線を封じた。4-0の6回には味方の連続失策からピンチを招き、2点を失うが同点は許さなかった。「(味方のミスを)カバー出来たかな」も2失点を悔やんだ。

ロキテクノ富山に苦手意識もなかった。「(これまでの対戦で)打たれている感じはない。去年の(日本)選手権予選(9回2失点)もいい感じで抑えられた」と相性の良さを感じてマウンドに立っていた。

バイタルネットは14年以来、県勢にとっても9年ぶりとなる都市対抗出場に王手をかけた。江村は「選手権はあるけど、都市対抗は行けていない。やっぱり社会人野球と言ったら都市対抗。強い思いがある」。チーム一丸で本戦出場をつかみ取りに行く。【大島享也】

○…大橋駿平一塁手(25)のバットが勝利をたぐり寄せた。4-2の7回裏2死満塁。「真っすぐ一本」と狙いを定めた2球目だった。外角低めの真っすぐを右翼線にはじき返し、走者一掃の二塁打。三塁を狙った大橋はアウトになったが「1発で仕留められて良かった。(三塁でアウトになって)みんなから『足遅いねん!』とケツとかたたかれたけど、うれしかった」と殊勲打を喜んだ。