近大(関西学生)は8強入りを逃した。鹿屋体大(九州地区南部)の森田希夢投手(2年=済々黌)からわずか4安打と、打線が沈黙した。

先発の寺沢孝多投手(4年=星稜)が3回途中3失点。ミスも絡んで序盤から厳しい展開を強いられた。

試合を落ち着かせたのは2番手で3回途中からリリーフした森健人投手(1年=東洋大姫路)だった。3回のピンチを三振で切り抜けると、持ち前の制球力と球のキレを生かして6回まで1失点に封じた。

「緊張はありましたが、落ち着いて自分の投球はできました。投げているうちに楽しくなってきた。なんとか次の投手につなげるという気持ちでした」

リーグ戦は中継ぎで1試合に投げただけ。全日本選手権は外れる予定だったが、紅白戦などでアピールに成功。5月末に補助メンバーとして東京帯同が決まり、開幕前日に正式なメンバー変更で滑り込んだ。

昨年のセンバツにエースとして出場した注目の新人右腕。身長170センチと小柄だが、最速144キロの速球を左右に投げ分け、何度も打者を詰まらせた。失点も不運な当たりが絡んだものだった。

「今日投げられて、自信がつきました。硬いマウンドも高校の時は苦手でしたが、今日は大丈夫だった。これも成長だと思います。先発として、チームに必要とされる投手になっていきたいです」

完敗の中で新戦力が光を放った。【柏原誠】