2日連チャンの“トライ祭”で、チームを救った。日本ハム伏見寅威捕手(33)が攻守で気を吐き、2連勝に貢献した。

1点リードの2回2死、阪神の好投手大竹から移籍1号となる左越えソロを放つと、守備でも同点の5回、本塁クロスプレーの際、俊敏なタッチで失点を防ぎ投手陣を援護。決勝打&完封リレーを演出した前日9日に続き、プロ入り後初めて2日連続でお立ち台に上がった。

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伏見が1発&好タッチ&好リードで、大きな1勝を呼び込んだ。故郷北海道で移籍1号を放ち、連日のお立ち台。「お待たせしました!普段打つことがないので、全力疾走しました」と喜んだ。

登板前まで6勝0敗だった阪神大竹の失投を、逃さなかった。2回2死、2ボール2ストライクから高めのチェンジアップに反応。「2ストライク後で、そんなに強いスイングをできない。投げ損じだと思うけど、そこを打ち損じることなく打てたのは良かった。決め球を打てて、結果的に追加点が取れて、かなりでかかった」と振り返った。

苦しんでいた打撃に光が差している。3打数無安打に終わった5月10日ソフトバンク戦後、打率が1割ジャストまで落ち込んだが、八木コーチと意見交換しながら「あんまり数字を気にしないように。今は強いスイングを心がけている」。一度に多くの課題に向き合うのではなく「強く振る」の1点に絞って打席に臨む姿勢が、ここ2戦3安打3打点の好結果につながった。

名前の寅威と阪神とは「全く関係ない」と話すが、連日のトラ退治に貢献。同点の5回1死二塁、中野の右前打で二塁走者が突っ込んでくると、万波の返球をキャッチ後、素早く反転し木浪の指先にタッチした。勝ち越し“トライ”を防ぎ「今日のベストプレー。万波もいい球を投げてくれたのでしっかり捕ってタッチまでいけた。大きなプレーだった」と勝因に挙げた。

リードもさえた。先発伊藤が3点を失うも「交流戦は対策の取り過ぎは良くない。表のリード。大海らしくいこうと。阪神も打線が状態がいいので点は入りますけど、要所で抑えてくれた」。9回1点リードで登板した田中正には「ウチのクローザー。信頼してサイン出してます」と大山、佐藤輝ら中軸を3者凡退に封じた。打撃同様、鋭さを増す道産子指令塔の読みが、16年ぶり交流戦制覇への鍵を握る。【永野高輔】

▽日本ハム万波(5回に本塁への好返球で失点防ぐ)「ぎりぎりにはなってしまいましたが、思ったところに球が行けばアウトになると思っていました」

▽日本ハム建山コーチ(先発伊藤について)「カーブ少なめで緩急を使わなかった分、中盤に失点はしましたけど6、7回はよく立て直していた」

▽日本ハム伊藤(自主トレで弟子入りし、WBCも共に戦った師匠ダルビッシュのメジャー通算100勝に)「すごいこと。これからどんな進化を見せてくれるのか。一生追い続けたい背中だと思います」

▽日本ハム田中正(前夜は新庄監督にマウンドで「表情硬い」と言われ)「表情をしっかり柔らかくしてマウンドに上がった。1点差だったので先頭取れたのが大きかった」

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