2部優勝の東洋大が1部6位の駒大に競り勝ち、2連勝で21年春以来、5季ぶりの1部昇格を決めた。就任1年目の井上大監督(49)は初の1部昇格。駒大は粘り及ばず、17年秋以来の2部降格となった。

試合後、ベンチ前に集まった選手たちを前に、井上監督の目から涙がこぼれた「おめでとう…ありがとう…」。今年1月に監督就任し、わずか6カ月にしての1部昇格。私生活から「厳しく」見直す井上監督のチーム改革が実を結んだ。

先発の野沢秀伍投手(4年=龍谷大平安)が力のある直球とスライダー、チェンジアップで緩急をつけ6回まで無安打無失点の好投。7回に2死満塁のピンチを招き降板するも、6回2/3を投げ3安打と試合を作り、後ろにつなげた。野沢は「今まで神宮球場で全然勝てなかった。今回は絶対に勝とうと。昨春の入れ替え戦はベンチ入りできなくて。その悔しい思いをもって今日は登板して、そういう(勝利に導く)ピッチングができて本当によかったです」と笑顔を見せた。

攻撃では、3回、2死二塁から石上泰輝内野手(4年=徳島商)の左越え二塁適時打で先制。4回には2死三塁、花田旭外野手(2年=大阪桐蔭)の打席の間に捕逸で三塁走者が生還。7回には2死一、二塁から宮下朝陽内野手(2年=北海)の右前適時打で貴重な3点目を挙げた。

主将の水谷外野手は「僕がキャプテンになったと同時に、井上さんも監督になられて。お互いのスタートでもあったので、今年は何としても1部にあげたいという思いがあった」と、その胸の内を明かし、「でもこれが終わりじゃなくて、始まり」と、秋、1部での活躍を誓った。

この日は、最速155キロ左腕・細野晴希投手(4年=東亜学園)は昨日の完投勝利後で、ベンチを外れスタンドからチームメートに声援を送った。

▽東洋大・細野晴希投手(23日の1戦目で185球で完投勝利の最速155キロ左腕。2戦目はベンチを外れスタンドから応援)「昇格して本当にうれしいです。その半面プレッシャーもありますが、ラストシーズン、周りの期待に応えられるように頑張ります!」