楽天藤井聖投手(26)が今季初登板初先発で初勝利を挙げた。

5回2安打1失点の粘投。昨季はプロ初勝利を挙げたZOZOマリンでプロ2勝目も、試合後は反省と喜びが半々。「いやもう最悪なんですけど、四球を出さない目標でやっていた中で5個出して…。けど、最後の1本打たれなかったのが一番よかった」。最後の最後は踏ん張った。

1点リードの5回は2四球が絡んで2死満塁の大ピンチを背負った。ここで藤岡に対して2ボールとなったが、3球目は「失うものないぐらいでやっているんで。気持ちで負けないっていう開き直りで投げました」。こん身の144キロ直球で二ゴロに抑えて試合の主導権を明け渡さなかった。

事前準備も勝負どころで生きた。コロナ禍の21年に入団した藤井にとって、声出し応援解禁後に1軍登板するのは初めて。そこで今カード初戦の6月30日に「球場の雰囲気を試合中に感じておいた」ことが功を奏した。5回のピンチでも体感済みの熱狂的な大声援に押しつぶされなかった。「最初にアレだったら、のまれちゃったかも」と予習の成果も発揮して、ようやくつかんだ今季初白星となった。【木下大輔】】

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