阪神が新外国人としてヤンキース3Aのコルテン・ブルワー投手(30)の獲得に動いていることが9日、分かった。193センチのリリーフ右腕で、150キロ超のカットボールを投げ込む。18年ぶりの「アレ(=優勝)」を狙う岡田阪神だが、守護神の湯浅が離脱しているブルペン陣の強化が急務。緊急補強が成功すれば、強力ブルペン陣がさらに分厚くなる。

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メジャーでもシーズン58登板の実績があるブルワーに、虎が白羽の矢を立てた。右上手から150キロを超えるカットボールが武器のパワーピッチャーだ。メジャーの左の強打者相手にグイグイ内角を攻め込む。スライダー、カーブも持つ。今季は4月にヤンキースで3試合に登板。3Aでは15試合で防御率1・35と好投している。

守護神湯浅が離脱しているブルペン陣は緊急補強が必要だった。この日、百北球団社長は具体的な名前こそ出さなかったが、「交渉は進んでいます」と新助っ人獲得に動いていることを認めた。もともと球団は独立リーグの外国人投手なども含めて幅広く調査。その中で、元メジャーのブルワーが有力候補となったもようだ。

外国人選手をあまり多く必要としない岡田監督の考えから、昨季までの8人制から今季は野手2、投手3の助っ人5人でスタート。だが、2年目のK・ケラーは安定感がなく勝ちパターンには入っていない。キャンプでは湯浅の代役抑え候補だったビーズリーは先発に転向した。先発で獲得したB・ケラーは右肘痛もあり、ここまで1試合も1軍で登板していない。

現在は岩崎をクローザーにすえ、岩貞、石井らのメンバーで踏ん張っているが、前半頑張ってきた加治屋が2軍降格するなど疲れも見えてきた。ここでブルワーが後半戦で機能すれば、一気に問題は解消される。湯浅の1軍復帰を焦らせる必要もなくなる。阪神からメジャーへ移籍したスアレスのようにタイトルを争うような活躍ができれば、岩崎も本来の8回に戻れる。

この日、試合前にグラウンドに姿を見せた岡田監督は日本行きが濃厚となったレイズ・ロドリゲスの質問に「関西の球団ちゃうか、明日になったら分かるよ」とニヤリ。練習後には「ないない。間違うとった」と否定したが、嶌村球団本部長は「もうちょっと待って」と他の外国人投手の補強が近いことをにおわせていた。混戦の中、首位を守り続けるチームにとって朗報は近そうだ。

◆コルテン・ブルワー 1992年10月29日生まれ。米テキサス州出身。カントン高校から11年ドラフト4巡目でパイレーツに入団。16年12月のルール・ファイブ・ドラフトでオフにヤンキースに移籍。17年オフにメジャー契約でパドレスへ移籍。18年に11試合に登板。オフにトレードでレッドソックスへ19年はリリーフで58試合に登板し1勝2敗。防御率4・12。20年は11試合のうち4試合先発もしている。その後ロイヤルズ、レイズを経て今年3月からヤンキースに移籍。今季は3Aで15試合に投げ防御率1・35。メジャー通算84試合、防御率4・98。右投げ右打ち。193センチ、104キロ。