今季から米メジャーで導入されたピッチクロックについて、日本でも導入可否を検討することが決まった。

プロ野球12球団によるオーナー会議が10日、都内で開かれ、日本野球機構(NPB)事務局および実行委員会に対し、検討を開始するよう指示が出された。議長の西武後藤高志オーナーは「基本的には、これから導入の可否も含めて検討を始める。オーナーそれぞれご意見をお持ちと思うが、検討を開始することに異論は一切ない」と説明した。

背景には試合時間短縮への期待がある。ラグビー経験者の後藤オーナーは「ラグビーは1時間半で終わるスポーツ。野球ファンでない方は、試合時間の長さがネックになっているのは間違いない」と指摘。榊原定征コミッショナーはメジャーで20分以上、短縮されている点を挙げ「しっかり研究したい」と前向きに話した。

もう1つの背景が26年の次回WBCだ。ピッチクロック導入は未定だが、後藤オーナーは「念頭に置く必要もある」と強調した。プロ野球に導入するかの検討期限は定めていないが、導入に向け大きく動き出したと言えそうだ。あわせて、今季からメジャーで導入されているベース拡大とシフト制限についても検討する。【古川真弥】

◆ピッチクロック 大リーグで今季から導入された投球時間を制限するルール。投手がボールを受け取ってから走者なしの場面で15秒以内、走者がいる場面で20秒以内に投球しなくてはいけない。違反の場合は1ボールが宣告される。打者は制限時間8秒前までに打席で構える。違反すると1ストライクが追加。また、けん制を制限なく行えるのは2度まで。3度目でアウトにできなければ、走者には進塁が与えられる。