休養明けの日本ハム松本剛外野手(30)がチームを3カードぶりの勝ち越しに導いた。

大勝した12日は出番がなかった選手会長は「休んでいる間に他の選手が活躍したら(ポジションを)取られてしまう世界なので」。そんな危機感が、走攻守でチームを引っ張る原動力だった。

今季、公式戦では初めて中堅でスタメン出場。不慣れな左翼を守る野村には「なるべく声をかけるようにしていた」と外野陣を統率しながら、ビッグプレーが飛び出したのは2回2死一、三塁での守備。「久しぶりにセンターをやってポジショニングを自分で結構いじれた。自分でも良いポジショニングだったと思います」と昨季の経験値も生かして、今宮の左中間を抜けそうな打球を好捕。試合の流れを引き寄せた。

直後の3回の攻撃では、2死走者なしから四球を選んで出塁。すかさず二盗を決め、続くマルティネスの先制14号2ランを誘発した。5回1死一、三塁ではセーフティースクイズ、エンドランと1球ごとにサインが変わる中で「ボス(新庄監督)の考えがある程度、読めていた。準備とリンクした打席になった」と“打て”だった3球目を左前適時打。会心の一打だった。

11年目の昨季、ようやくブレークした松本剛は「昨日(試合に)出られなかったので、今日は出たら何とか仕事をしてやろうという思いだった」。試合に出られない怖さを知る選手会長の必死さが、快勝劇の中心にあった。【木下大輔】

▽日本ハム新庄監督(走攻守で大活躍の松本剛に)「彼はちょっと危機感を持たせたらガーって実力を出せるタイプ。だから今日良かったでしょ。(12日の欠場は)それはもう…(と自ら頭を指さして作戦通りと笑いながらアピール)」

▽日本ハム清宮(5回に貴重な4点目となる犠飛)「チャンスをつくってくれた皆さんに感謝します」