3試合ぶりに先発出場した阪神木浪聖也内野手(29)が、今季5度目の決勝打で2連勝に導いた。両軍無得点の2回、2死一、三塁。難敵バウアーの初球のカーブを見送り2球目だ。真ん中低めの156キロ直球を強振。一、二塁間を猛スピードで突破し、三走・佐藤輝が本塁へ生還。二塁に到達すると、何度も手をたたき、ベンチに人さし指を突き出し喜びを爆発させた。

「もうどんどんいこうって決めていたので。初球がボールで次いこうと。いい結果になってよかった」

木浪は2試合連続ベンチスタートで、代わりに出場した小幡が前日19日には適時打を含む猛打賞を記録。「ああやって出て結果を残すのはすごいこと。すごい刺激になってます」と発奮し、「出してもらっているっていうことに感謝して、これからもっと出たら感謝の気持ちを忘れないで、プレーに出したい」と力を込めた。

試合前の直近5試合(先発時)では17打数3安打、打率1割7分6厘とやや調子を落としていた。ここ2試合で小幡を起用した岡田監督は「(東、石田と)ええピッチャーやから(木浪を)外したんやで」とニヤリ。かねて「休ました方が元気になって戻ってくる感じがある」と話しており、「打たないバッターがこういう時だけ打つんじゃないから。ずっと安定して打っとるから」と評価した。

この日は近本、中野の1、2番コンビが無安打に終わった。指揮官は「そういう時に下位打線で打点を挙げられるのは、そらやっぱりええ流れの証拠やわな」。広島、DeNAとのビジター6連戦前には「3勝3敗で御の字よ」と話していたが、現実となり「両方とも初戦負けてな、それであと五分で持ちこたえたというのはだいぶ力ついてきたんちゃうかな」とチームの成長に目を細めた。

【古財稜明】