勝負の9月はテルが引っ張る! 阪神佐藤輝明内野手(24)が左前適時打で反撃ムードをかき立てた。

DeNA牧に勝ち越し3ランを浴びた直後、6回の3打席目。安打と四球でつくった、2死一、二塁の場面だった。マウンドには今季6打席無安打に倒れていた、左腕石川がワンポイント救援で登板した。「しっかりスコアラーの人と話して」。いったんベンチに戻り、対策を練って打席へ向かった。「つないでくれたチャンスだったので」と、カウント1-1からの149キロ直球を逆方向の三遊間へはじき返した。打球は左翼へ抜け、二塁走者は悠々生還。それまでの2打席は連続で併殺に倒れていた。鬱憤(うっぷん)を晴らす一打で、今季自己最長を更新する10試合連続安打を記録。22年に記録した、自己最長11試合まであと「1」に迫った。

長期ロード期間となった8月は尻上がりに調子を上げた。9日巨人戦(東京ドーム)から、14打席無安打。16日広島戦では後半戦初の欠場も経験した。だが、18日DeNA戦(横浜)でスタメン復帰すると、この日まで連続安打を継続。終わってみると、月間成績は打率3割、3本塁打、16打点。今季の通算打点も「63」に伸ばし、4番大山に並んでチーム最多となった。

「ここからが大事なので頑張ります」。復調を果たし、打線をけん引した8月。首位で9月を迎えることへの心境についても「開幕の時から変わっていないんじゃないですかね」と、アレへの思いは変わらない。打撃浮上の佐藤輝が勝負の9月に爆発する。【波部俊之介】