ロッテ佐々木朗希投手(21)が、クライマックスシリーズ(CS)へ向けて再スタートを切った。

左脇腹肉離れから48日ぶりに実戦復帰。ヤンキースのキャッシュマンGMが視察する前で、先発で3回45球を投げ、2安打2奪三振1失点だった。最速は161キロ。アクシデントなく投げ終えて最初の“リハビリ登板”は順調に終了した。10月14日から始まるポストシーズンまでに、完全体へと再仕上げする道がはっきり開けた。

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驚異的な回復を、超満員のファンの前で証明した。予定通りに近い球数で降板した佐々木朗は、球団を通じて「先制を許してしまいましたが、ケガなく投げられたので良かったです」とコメントした。約1カ月後の短期決戦を見据え、アクシデントなく投げ終えられたことが一番の収穫だった。

左脇腹肉離れを発症してから約7週間での電撃復帰登板は、160キロ台連発で始まった。1回先頭の佐野皓への2球目に160キロを計測。球場がどよめく中で徐々に出力もアップした。

1回2死三塁では、森の3、4球目に161キロを2球連続でマークした。久しぶりに味わう“勝負どころ”でマックスのギアに上げて臨んだが、最後は160キロで詰まらせながら左前適時打を献上。唯一の失点となった。

この日もバックネット裏には多数のメジャー関係者が集まった。前夜は12球団20人以上のスカウトが、オリックス山本のノーヒットノーランを視察したが、この日も同様。各球団の幹部クラスが勢ぞろいする中で、連日の来場となったヤンキースのキャッシュマンGMも熱心に佐々木朗を視察し、3回で降板すると球場を後にした。

そんな場外の熱狂も関係なく、佐々木朗は2、3回は変化球主体に切り替えて無失点で切り抜けた。全45球のうち、直球は17球と約38%にとどまったが、48日ぶりの実戦で最高球速も結果も、まずまず出せた。今季中の復帰すら危ぶまれた故障からカムバックできたことで、あとは慎重に状態を上げていくだけ。10月14日から始まるCSへ向けて、十分に仕上げる時間は残っている。【木下大輔】

【動画】48日ぶり登板の佐々木朗希、最後はフォークで空振り三振締め 大きく一息吐き安堵の顔