3年ぶりV奪回を目指したソフトバンクの今季優勝の可能性が18日、完全に消滅した。敵地・北海道で日本ハムに辛勝。連敗を3で止めたものの、オリックスが楽天に勝ち、残り試合ホークス全勝、オリックス全敗でも勝率を上回ることができずホークスのV逸が決定した。昨年は優勝マジック1としながら最終戦で屈辱のV逸。雪辱を誓った藤本博史監督(59)だったが129試合目での「終戦」。残り14試合で2位浮上を目指しCS(クライマックス・シリーズ)での下克上を誓った。

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ソフトバンクは北の大地で連敗を3で止めた。今季の敵地最終戦。試合後、藤本監督とホークスナインはグラウンドに整列してスタンドにシーズン応援のあいさつを行った。日本ハム戦の今季勝ち越しを決めた辛勝から約15分後。オリックスが楽天に勝利。この瞬間、ホークスのV逸が確定した。

3年ぶりV奪回を誓ったが、129試合目での終戦。試合後、藤本監督は言った。「(オリックスとは)十何ゲーム離れているんでしょ。CS(クライマックス・シリーズ)頑張ります」。悔しさを押し殺し、短い言葉に込めた。監督就任1年目の昨シーズン。優勝マジック1としながら最終戦でロッテに敗戦。同率で並んだオリックスに対戦成績の差で敗れ、屈辱のV逸。野球人生で初めて「目から変なものが出た」と悔し涙した。昨オフは総額80億円(推定)を超える大補強でチーム強化を図りながら雪辱はならなかった。

「敗者」となっても、道が途絶えたわけではない。2位ロッテ、4位楽天との「Aクラス争い」に勝ち抜き、次なる目標とする2位浮上となればCS突破、さらに日本一への下克上ロードはつながる。森ヘッドコーチも悔しさを募らせつつ、目線を下げることはなかった。「優勝は逃してしまったけど、1つでも順位を上げていきたい。(シーズンは)12連敗とかあって思うようにいかなかったが、オリックスには勝ち越し(11勝10敗)ているわけだから、(CSでは)何とかやり返したい」と力を込めた。

チームを取り巻く状況は苦しい。この日も体調不良を訴え藤井が離脱した。北海道入りしてから中村晃、今宮、三森、嘉弥真、武田、東浜、そして藤井と計7人が戦線離脱。投打ともに台所事情は厳しく試練の残り14試合となった。チームは試合後、空路仙台入り。今日19日からは4位楽天との2連戦。まずは眼下の敵を蹴散らして再浮上を目指す。【佐竹英治】

▽ソフトバンク柳田(3年連続のリーグ優勝が完全に消滅)「切り替えて、まずはクライマックス(CS)に出られるように、精いっぱいやっていきます」

▽ソフトバンク板東(5回を4安打5四球1失点)「調子は良くありませんでしたが、粘りながら投げることはできた。(甲斐)拓也さんにうまくリードしてもらい、5回まで投げることができた」

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