今秋ドラフト候補の大商大、高（たか）太一投手（4年＝広陵）が完封勝利を挙げ、今節を1勝1敗に持ち込んだ。

最速151キロ左腕は「絶対勝ちたかった」と気迫の投球だった。9回まで毎回安打で10安打を浴びるも、内角への力強い直球と変化球を織り交ぜ、6奪三振、無死四球。3点リードの最終回は2安打で2死二、三塁のピンチを招いたが、ショートゴロに打ち取り、大きく手をたたいて喜んだ。

高は「どの球種でもカウントが取れて、直球で押し込めた。1本打たれても本塁に返さなければいいと割り切って投げられた」と手応えをつかんだ。

前回17日の大院大戦では4回途中6失点で降板。だが、この日は強みを生かした投球で、完封勝利につなげた。「前回までは直球が走らないから、変化球にしようとか、ちょっと逃げではないですけど。今日はそうではなくて、自分の持ち味が直球なので直球を押し込んで、タイミングが合ってきたら変化球で外すところを意識しました」と強気で挑んでいた。

球場には複数の編成幹部を含む、7球団のスカウトが視察に訪れた。ソフトバンクの永井スカウト部長は「制球力が上がって先発としての能力も見え始めている。球のボリュームが上がれば大関みたいな、ローテーションに入れる素材」と評価した。

ドラフトが近づき、注目を浴びても、高は「チームを勝たせる投球を一番に考えています」と4季連続Vへ熱投を誓った。