日本ハム上沢直之投手(29)が、今オフの大リーグ移籍へ向けポスティングシステムを申請する意向を固め、球団も容認する方針であることが1日、分かった。球団は昨オフ、上沢のメジャー挑戦にあたり一定の条件を設けたが、これまでの貢献度に今季の成績を加味した結果、これをクリアしていると判断。上沢はこの日、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)に先発し6回8安打3失点(自責2)で9勝目をマークし、今季最終登板を終えた。

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少しずつ膨らんでいった夢への扉を、開くときが来た。「新庄ハム」のエースとして先発陣を引っ張ってきた上沢が、熟考を重ねた末に、今オフのメジャー移籍を目指してポスティングシステムを利用する意向を固めた。昨オフ「来季(23年)の成績が非常に重要」としていた球団側も、これまでの貢献度と今季の成績を考慮した結果、条件面を全てクリアしていると判断し、上沢の米球界挑戦を後押しする方針だ。

この日、ソフトバンク戦に先発した上沢は6回を8安打3失点(自責2)で白星を手にし、9勝9敗で今季の登板を終えた。開幕から苦しい投球が続き、米球界挑戦に迷いが生じた時期もあったが、投球回数はキャリアハイの170イニングを記録し、防御率2点台でフィニッシュした。「貯金を作れなかったのは悔しい」と自身の成績に納得はしていなかったが「年齢的に、いつまでも目指せるような舞台ではない」と、メジャーへの変わらぬ思いを口にした。

上沢は昨オフの契約更改の場で、初めて米球界挑戦の意向を表明した。1学年下のエンゼルス大谷が日本ハム入団1年目の沖縄キャンプで同部屋に。身近な存在だった後輩が米球界で活躍する姿に、刺激を受けた。「理想はメジャー契約」としつつも、マイナー契約でもメジャー昇格の際の昇給額を決めたスプリット契約などの可能性も含めて検討していく。

日本ハムでの同システムの利用は、20年の有原と西川以来、6人目。有原(現ソフトバンク)はレンジャーズが落札。西川(現楽天)は交渉不成立で日本ハムに残留した。11年にはダルビッシュ(現パドレス)、17年には大谷が同制度でメジャー移籍している。今年の申請期間は、11月1日から12月15日まで。

 

◆ポスティングシステムを利用した日本ハム選手 05年入来祐作、11年ダルッビッシュ有、17年大谷翔平、20年有原航平、20年西川遥輝の5人いる。ダルビッシュはレンジャーズ、大谷はエンゼルス、有原はレンジャーズと契約したが、入札がなかった入来と西川は不成立。入来は自由契約となって退団後にメッツと契約。西川は21年も日本ハムでプレーした。

 

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