あるぞ、CS1軍合流! 左脇腹の筋挫傷から復活を目指す阪神湯浅京己投手(24)が、約2カ月ぶりに実戦復帰を果たした。

ウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)の6回に登板。負傷した7月30日の2軍広島戦以来となるゲームで、1回3者凡退と完璧に封じた。今後は連投テストを経て、9日開幕のみやざきフェニックス・リーグへ向かう見込み。CSファイナルステージのメンバー入りへ、岡田彰布監督(65)に万全をアピールしていく。

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笑顔の湯浅が帰ってきた。12球で1イニング無失点。満員の鳴尾浜球場に拍手が響いた。左脇腹の筋挫傷で離脱後、約2カ月ぶりの実戦。登板後の第一声は「力みました、力み倒してた」だった。アドレナリンを放出し、汗をぬぐった。

2点リードの6回に登板。先頭韮沢を左翼フェンス手前へのフライに仕留め、中村健を二飛に。最後はこの日最速151キロで持丸のバットを折り、二ゴロで3者凡退とした。フォークも4球試投。試合では自然とギアが上がるため「脇腹、正直大丈夫かなって」と不安はあったが、腕を振って乗り越えた。

「(患部は)問題ない。今問題なければ明日も大丈夫だと思う。ここから状態を上げていけるように」

和田2軍監督は「明日の状態を確認して、次は連投を」と4、5日に設定されている練習試合などを利用し「連投テスト」させる方針。クリアすれば、9日から始まるみやざきフェニックス・リーグで、CSファイナルステージへアピールの日々が始まる。岡田監督は「まだフェニックスで投げてからや」と右腕の状態を見極めることを示唆。ポストシーズンのメンバー入りへの意欲を問われた湯浅は「もちろんあります」と言い切った。

現状、1軍のリリーフ陣は波に乗り切れていない様子。とりわけ右腕に限れば、不安材料があることは否めない。今季ブルペンを支えた石井と加治屋が、9月30日の広島戦で失点。ブルワーも同29日DeNA戦で失点している。そこに1、2軍を行ったり来たりだった岡留、馬場。ビーズリーと西純らはロングリリーフ枠を争うとみられる。

湯浅は昨季のCSファーストステージDeNA戦では、2試合でイニングまたぎの救援に成功。WBCでは世界一に貢献するなど短期決戦での経験値はチーム屈指。万全な状態で1軍合流となれば、38年ぶりの日本一を目指すチームとって心強い。「再発、けがしないことが一番」と細心の注意を払い、大逆襲を見据えている。【中野椋】

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