侍ジャパン井端弘和新監督(48)の就任発表記者会見が4日、都内ホテルで行われた。U15(15歳以下)の代表監督も兼任する。トップチームとアンダー世代の兼任は史上初めてで、井端新監督が強い意欲を示したという。

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東京五輪準決勝の米国-韓国戦。当時、侍ジャパンのコーチだった井端は横浜スタジアムの一塁側スタンド後方にいた。コロナ禍で無観客。簡単に見つかった。他の首脳陣はいなかった。宿泊先ホテルで映像をチェックし、策を巡らしていた。

「生で見たかった」。ホテルに残る選択肢も尊重しつつ、どうしても確認したかった。米国には決勝トーナメント初戦でサヨナラ勝ちを収めていた。野球の母国が敷く内野陣形の細かい動きの変化で悟った。「初戦の試合後に誰も動かず、ジッと日本ベンチをにらんでいた。こういう内野の動きを見ると、本気になったと感じる」。

選手時代のプレースタイル、立ち居振る舞いからするとニヒルなイメージがある。指導者となってもクールに選手の技量だけを見極め、判断していると思っていた。だが東京五輪でヤクルト村上とポジションが重なる巨人岡本和が選出されなかった理由を聞くと「村上の方が打てなかったとしても、ベンチで声が出る」と答えた。「気」を重んじる一面が井端の深層に隠されている。

現役時代のハイライトでもある13年WBC。台湾戦の起死回生の同点打が光とすれば、終戦となったプエルトリコ戦の重盗失敗は暗い影とも言える。約4年の歳月を経て「なぜ失敗は起きたのか?」をテーマに取材をお願いした。的確に理由を説明し、立場がコーチになっても教訓としていることを明かした。失敗を振り返ってもらう作業に応じてくれ、感謝を伝えた。

「これからの選手にこういうことがあった、だから完璧な準備が必要なんだ、と知ってもらえる機会だから」。時折のぞかせる根底にある思いが、心地よく熱い。【侍ジャパン前キャップ=広重竜太郎】(敬称略)