ドラフト上位候補に挙がる最速155キロ右腕、西舘勇陽投手(4年=花巻東)が2安打完封で今季3勝目、大学通算11勝目を挙げた。

「先制点を取るまでは0点に抑える」。そう、覚悟を決めて立ったマウンド。エースの思いにチームメートが応えた。5回、1死一、三塁から山本聖内野手(3年=鹿屋中央)の二ゴロで1点先制。6回には無死一、三塁から石井巧内野手(4年=作新学院)の中犠飛で追加点を奪った。

西舘は2点のリードを背に、自信を持って投げ込んだ。変化球でカウントを取りながら力強い真っすぐで三振の山を築き、自己最多タイとなる13奪三振。「今日はどちらかと言えば三振を狙っていなくて。コースコースだけを意識して投げられた。そこが一番大きかった」と、手応えのあったカットボールを中心に組み立て、日大打線をわずか2安打に抑えた。日大の片岡昭吾監督(45)は「(西舘投手は)素晴らしかった。打てないです。1枚も2枚も上手ですね」と、脱帽した。

春からの成長もつかんだ。「四死球が少なく、テンポよく投球ができている。そこが一番大きい」と胸を張る。まだ、優勝の可能性を残す。「ここから全勝する。今日はその1歩にできたのが大きい」。エースとして、優勝に導く覚悟はできている。