ソフトバンクの次期監督就任が決定的な小久保裕紀2軍監督(52)が17日、常勝軍団復活への熱い思いをほとばしらせた。1軍がCSファーストステージで敗退し、藤本博史監督(59)の退任が発表された一夜明け。まだ球団から正式要請がないとして言葉を選んだが、「そら、悔しい思いをしてるんで。やるしかないでしょ」と4年ぶりV奪回への強い覚悟を明かした。
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小久保2軍監督は集まった大勢の報道陣を制すように言った。「正式なものは何もない。メディアでは全部出ていましたけど、答えられるような話はない」。ホークスの次期1軍監督就任が決定的となった一夜明け。時の人は、宮崎の生目第2で通常通り、フェニックスリーグ日本ハム戦の指揮を執った。だが、3年連続でV逸したチーム再建への熱い思いは隠せなかった。「今、それを聞かれても」と言葉を選びながら、「そら悔しい思いをしているんで。やるしかないでしょ」と力を込めた。
屈辱は宮崎から画面越しに焼きつけた。1軍は前日16日のCSファーストステージ第3戦でロッテに延長10回裏に逆転サヨナラ負け。「僕も結構な試合をやってきましたけど、あんまり記憶にないくらいの試合でしたね」。悲劇的な閉幕を迎え、同日夜に藤本監督の退任が発表。小久保2軍監督の昇格が確実となった。
球団から正式な要請がくれば、断る理由はない。そして今季最後まで足りなかった「勝負強さ」の注入こそ、それをモットーにしていた小久保新監督に求められるミッションだ。得点圏打率2割5分はリーグ4位。1点差試合は22勝20敗だったが、リーグ3連覇したオリックスは28勝13敗と大きく上を行かれた。総得点はリーグ1位の536でも、「勝負弱さ」の積み重ねで15・5ゲームもの大差をつけられた。
小久保監督はホークスでの現役時代、4度のリーグ優勝と3度の日本一に貢献。NPB通算413本塁打、1304打点はともに歴代17位を誇る。ここ一番の打ってほしいところで打ち、記録にも記憶にも残る打棒で勝利に貢献し続けた。引退後は侍ジャパンの監督を務め、21年は1軍ヘッドコーチとして工藤監督のもとで帝王学を学んだ。豊富な経験をもとに昨年から2軍監督に就任。個々に応じた情熱指導で若鷹の育成に力を尽くし、今季はウエスタン・リーグ優勝、ファーム日本一に導いた。満を持して1軍監督に就任する。
この日は2-15で大敗したが、試合後は自ら打撃投手を務め、一緒に汗を流した。手塩にかけて底上げ中の小久保チルドレンは、大きな戦力だ。そんな若鷹、主力、ベテラン、助っ人を融合してどんなチームをつくるのか。新生ホークスに期待が高まる。【佐藤究】
◆小久保裕紀(こくぼ・ひろき)1971年(昭46)10月8日、和歌山県生まれ。星林-青学大を経て93年ドラフト2位でダイエー入団。95年本塁打王、97年打点王。03年オフに無償トレードで巨人移籍。07年にFAでソフトバンクに復帰し、12年に現役引退。通算2057試合出場で2041安打、413本塁打、1304打点、打率2割7分3厘。青学時代に92年バルセロナ五輪で銅メダル。13年10月から17年第4回WBCまで侍ジャパン監督。20年オフにソフトバンク復帰。21年は1軍ヘッドコーチ、22年から2軍監督を務める。現役時代は182センチ、87キロ。右投げ右打ち。



