ルートインBCリーグ新潟アルビレックスBCの伊藤琉偉内野手(21)がヤクルトから5位で指名された。同球団からは19年に日本ハムに育成指名された樋口龍之介内野手(育成2位)、長谷川凌汰投手(同3位)以来、4年ぶり8人目。通常指名は18年のDeNA6位の知野直人内野手(24)以来、2人目で球団史上最上位での指名になった。

指名直後、伊藤は控えていた新潟市内の商業施設入り口ホールに現れた。パブリックビューイングに集まった約40人のファンの歓声を受けながら一礼。「NPBに行っても頑張ります。新潟の皆さんに恩返しができるように頑張ります」と笑顔で感謝と決意を口にした。会見では「ヤクルトはテレビで見ていてすごい選手ばかり」と初々しく印象を話しながら「各球団のエースと対戦したい」と闘争心もちらつかせた。

遠投110メートル、50メートル走6秒1の高い身体能力を誇る。5月2日に練習生として新潟に入団し、同31日に選手登録されると今季通算打率は3割3分6厘。9月にはNPBファームとの交流戦に出場するBCリーグ選抜入り。「1番二塁」で先発したDeNA戦で6打数3安打をマークした。NPB球団から5通届いた調査書はアピールの成果だ。

一見、シンデレラボーイも苦悩を経験した。東農大では入学直後からベンチ入りしたが、学業でつまずき今年3月で中退。その後は草野球チームで野球を続けていた。地元群馬の野球関係者のつてで新潟にたどり着いた。橋上秀樹監督(57)は「スタートラインにやっと立ったことを自覚してほしい」と激励した。目指すのは「山田哲人選手のような走攻守そろった選手」と言う伊藤の挑戦が始まる。【斎藤慎一郎】