今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が2日、発表された。野球界からは3語がノミネートされ、この日38年ぶりの日本一に王手をかけた阪神岡田彰布監督(65)の「アレ(A.R.E.)」も選出された。21年は大谷翔平選手の「リアル二刀流/ショータイム」、22年はヤクルト村上宗隆選手の「村神様」が年間大賞に輝いており、野球界からの3年連続Vにも期待がかかる。トップ10と大賞は12月1日に発表される。

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日本シリーズ第5戦の練習開始前に、ノミネートを聞いた阪神岡田彰布監督は「ええ、そうか。まあ、流行ったよな。ほかの競技でもアレ言うてるやん」とニヤリだ。

昨秋に監督就任。秋季練習初日に「1年目から優勝するつもりでいる。今日だけは『優勝』と言うけど、明日からは『アレ』目指そうとしか言わん」と訓示した。リーグ優勝は自身が指揮した05年から17年間遠ざかっていたことから、優勝という言葉を封印した。

もともとはオリックス監督時代の10年、交流戦の優勝がかかった状況で選手が意識し過ぎないように「アレ」と表現し、初優勝を飾っている。阪神は今季の球団スローガンを「A.R.E.」とし、読み方は「エー、アール、イー」だが、岡田監督の「アレ」に乗っかっていた。

今季、岡田阪神はセ・リーグで2位に11・5ゲーム差をつけ、18年ぶりのリーグ優勝を達成。ようやく「アレ」を封印して「優勝」を解禁した。ただ、指揮官は「流行語大賞を取れるか」と問われると「ないよ。そんな。別にええわ」と照れ笑いしていた。

◆新語・流行語大賞 1984年(昭59)に制定された。自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」収録用語をベースに、漫画家やくみつるさんらの審査委員会が毎年12月上旬にトップ10と年間大賞を選ぶ。03年から「ユーキャン新語・流行語大賞」と改称された。昨年はプロ野球ヤクルト村上選手をさす「村神様」が年間大賞に選ばれた。

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