いざ、新戦力発掘キャンプへ! 阪神岡田彰布監督(65)ら1軍首脳陣が10日、秋季キャンプが実施中の高知に入った。就任1年目の昨秋は主力選手も参加していたことから、守備の連係プレーなど重点的に実施した。ただ、今キャンプは若手中心ということもあり、個々の能力アップ&戦力を見極める位置づけだ。リーグ、日本一連覇へ向け、再スタートを切る。

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38年ぶりの日本一達成から5日が経過し、岡田監督の目はすでに24年シーズンに向いていた。黒いスーツに銀色のネクタイをビシッと決め、大阪・伊丹空港にさっそうと登場。「早く若い選手をみたい? そうやな。ほとんど(見たのは)映像だけやからなあ」。高知・安芸での秋季キャンプ後半の第3、4クールに参加するため、1年ぶりに鍛錬の地へ足を踏み入れた。

昨秋の「連係強化」と打って変わり、今回は「個」に重きを置く。監督就任直後の前回は「守り勝つ野球」を掲げ、守備での連係プレーなどを徹底的に実施。指揮官は「今年は個人練習な。そんな連係をやる必要はないし。個々の力がどれぐらいあるかいうことやろな。去年とは全然違う内容のキャンプになるやん」。大山、近本、中野ら主力を休ませ、佐藤輝、森下らは侍ジャパンの宮崎合宿に参戦中。若手中心のキャンプで、新戦力の発掘、見極めが中心となる。

若手有望株の中で指揮官が興味を引く選手の1人が、来季が高卒2年目となる井坪陽生外野手だ。2軍公式戦では前半戦で打率3割以上を維持し、一時は首位打者に立つなど潜在能力の高さを示した。グリップエンドを顔の横付近まで上げ、上体をかがめるメジャー風の独特の打撃フォームで、指揮官は「どういう感じでああいう打ち方したんかいうのはな、見てみたいわな」。傘をさす位置でバットを構える「雨傘打法」理論を持つ岡田監督は「あのスタイルでやってたわけやろ? あんまり変えてしまって、自分のええところなくしてしまうのもあかんからな。それは見てからよ」とじっくり観察する。

他にも同じく高卒1年目の戸井や、昨秋にアピールした前川、売り出し中の育成選手野口など、将来性の高い選手が多くいる。「岡田EYE」を光らせ、新たな戦力を掘り起こす。【古財稜明】

◆井坪陽生(いつぼ・ひなせ)2005年(平17)3月17日生まれ、東京都出身。関東第一時代には通算32本塁打。22年ドラフト3位で阪神入団。今年のフレッシュ球宴では1番で先発出場。ウエスタン・リーグ93試合に出場し56安打、3本塁打、34打点、打率2割4分8厘。177センチ、86キロ。右投げ右打ち。

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