侍ジャパン井端弘和監督(48)が、初陣に送り出したラインアップが序盤は苦戦した。中盤まで無安打無得点が続いた。「個人の打席では、やっぱり自分からいく姿勢は大事かなと思います」。1番岡林を切り込み隊長に、好調の小園を2番に置いた。4番牧の前後には、日本一まで走り抜いた阪神のクリーンアップの打順そのまま、慣れ親しんだ場所に配置。「気持ちだけは1打席目からやっていく」と気後れさせずに積極策で託した。

立ちはだかった台湾先発の古林叡煬に対し、十分に対策を施してきた。「デビューから見てる。いいピッチャーだなというのは分かっています。確か鮮烈デビュー果たしたと。そういうのも踏まえて、(対策を)練ってますよ」。184センチの長身で最速157キロの直球から「火球男」の異名を持つ右腕。今季、統一ライオンズで5勝2敗、防御率1・80を誇る右腕を、20年のデビュー戦から研究した。ただ「ボールを見てみないと実際は分からない。テレビじゃ分からんよ」。だから2戦目を見据え、韓国-オーストラリアはスタンドで視察。打者2巡を見届けた。

今夏までU12侍ジャパンの監督を務めた。初陣のナイターに備え、体内時計も調整してきた。「夜型になろうと思って夜中耐えてました。栄養ドリンク飲みました。夜、寝ないように。一応ないよりあった方がいいなと」。宮崎キャンプ中も対戦国のビデオをチェック。召集した26人のメンバーの戦力と対戦国の力を擦り合わせて迎えた初陣だった。

3月のWBCで世界一までたどり着いた侍のバトンを託された井端監督は、目先の勝利よりもその先を見据えている。前回17年アジアプロ野球チャンピオンシップに出場し、6年後のWBCにも選ばれたのは5人だけだった。「5人ですよね。もっといてもいい。全員入ったっていいくらい」。若侍の成長と同時に、勝利をつかむためタクトを振った。【栗田成芳】

【アジアCS】井端ジャパン初陣! 日本-台湾 侍ジャパン初戦先発赤星優志/ライブ速報