台湾の先発、古林叡煬(グーリン・ルェヤン)投手(23)が鮮烈な印象を残した。「火球男」の異名を持つ最速157キロ右腕は、ぐいぐい直球で押し込んだ。2回には佐藤輝からこの日最速154キロで見逃し三振。「初対戦は投手が有利。真っすぐ中心で攻めました」と冷静だった。6回1死まで1人も走者を許さない。7回1死から森下に均衡を破るソロを打たれたが、6回2/3、3安打1失点は十分。降板時には日本のファンからも拍手を送られた。

「古林」という一見、日本人のような姓が親しみを与えるのか。試合中からX(旧ツイッター)では「古林くん」と呼びかける日本のファンが続出した。「神宮球場で」「そのまま水道橋にいなよ」「北の大地で」「猛虎魂を感じる」「関内で待ってる」「千代崎で」等々、各球団のファンが勧誘合戦まで繰り広げた。当の本人も「今回のパフォーマンスで注目を集めたい。チャンスがあれば、憧れの日本や大リーグに挑戦したい」と打ち明けた。

一方で「なかなか空振りも取れず、日本打線はコンタクト能力が高かった。警戒していた打者にホームラン。1つのミスでこうなる」と反省も忘れない。今季は統一ライオンズで13試合、5勝2敗、防御率1・80を残した。まだ23歳。台湾でコーチ経験がある井端監督も「ストライクゾーンで勝負できる。世界を狙える投手」と認めた。3年後のWBCでは、侍ジャパンに立ちはだかる強力なライバルになっているかもしれない。【古川真弥】

▽日本牧(古林に内野ゴロ2つ)「テイクバックが小さく、球速も出て本当にいいところに投げられた。思った以上に伸びてきて、ファウルになったりした」

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