そら、もうメロメロよ-。阪神岡田彰布監督(65)が19日、高卒ルーキー左腕の門別啓人投手(19)の潜在能力の高さにベタぼれした。この日で高知・安芸での秋季キャンプが打ち上げ。若手中心のメンバー構成で、特に目を引いた選手に門別の名を挙げ、「隠しときたいよ」と岡田節で最大級の期待を寄せた。球団史上初のセ・リーグ連覇へ必要な新しい力として、2年目の24年に大ブレークの予感だ。

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岡田監督のニヤけ顔が止まらなかった。約3週間にわたって実施された高知・安芸での秋季キャンプが打ち上げられた。日本シリーズ制覇を経て、11日の第3クールから合流した指揮官は、特に目を引いた選手について「そら、門別やろ」と即答。キャンプで進化した姿をみせた高卒ルーキー左腕にベタぼれだ。

「楽しみどころちゃうよ。隠しとくよ。あんまり新聞に書くなよ、ホンマに。隠しときたいよ」

糸を引くような直球を投げ続けるブルペンでの投球練習を見るたびに、背番号30にのめり込んだ。1年目の今季はプロ初先発した9月30日の広島戦では5回無失点と好投するなど、2試合に登板したが「いや、変わってる。それよりもまた一段とようなってるんちゃう」と絶賛。「(他球団のスコアラーに)見せたくないわ。ちょっとどっかキャンプ行かそか、台湾かどっか。わからんようなところで投げさせて」と冗談交じりに白い歯をのぞかせた。

期待は膨らむばかりだ。先発ローテーション入りの可能性については「当然やろ、あのボール見たら。開幕ローテも狙える力あるわな」ときっぱり。さらに「07年のオフに岩田が『10勝できる』と思って、次の年に10勝したけど。(それくらいの期待を)してる、してる」とうなずいた。今季2軍公式戦では打席に立つことはなかったが、「バッティングめちゃくちゃいいらしいやんか。思ってる以上やわな」と明かした。

強固な先発陣を脅かす存在となりそうだ。現状では今季2桁勝利を挙げた村上、伊藤将、大竹を中心に、青柳、才木、西勇と盤石な6人がそろう。ただ、指揮官は「だから誰か外さなあかんようになるわな。7人で回すのはもったいないからな。それくらい期待感があるということやなあ」。

岡田監督の最大級の期待を伝え聞いた門別は「そういうふうに評価をしてくださってうれしい」と喜んだ。「キャンプで真っすぐの質だったり、すごく成長できたと思う」と胸を張り、「まずは先発ローテに入れるように、このオフしっかり練習していきたい」と気合をにじませた。指揮官期待の秘蔵っ子が、球団史上初のセ・リーグ連覇へ必要な新しい力になる。【古財稜明】

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