侍ジャパン井端弘和監督(48)が来季、強化試合で再スタートを切ることが決まった。20日、NPBエンタープライズが24年3月6、7日に欧州代表戦(京セラドーム大阪)を2試合開催することを発表した。同監督はアジアプロ野球チャンピオンシップ優勝から一夜明け、神宮球場で明治神宮大会を視察。招集メンバーは白紙を強調しフラットに選考する考えを明かし、国内“ガチメンバー”と若侍の融合を図る絶好の機会となる。

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歓喜の優勝から一夜明け、井端監督が早速動き出した。明治神宮大会を視察に訪れた。韓国をタイブレークの末サヨナラで破り、原辰徳氏や稲葉篤紀氏ら、歴代侍監督から祝福を受けた。「原さんともお話しして『初陣としてはいろんなこと踏まえてよかったんじゃないか』と言っていただいて、本当にありがたい」と、あらためてアジア制覇を実感した。

次の戦いも正式決定した。来年3月欧州代表との強化試合が発表。「シーズンが近いのでチーム事情も踏まえてですけど」とした上で「今回来たメンバー含めて1回ゼロにして考えて、また決めたい。声だけはかけてみようと思います」。強化試合にメジャー組が参加した例はないが、3月のWBCに出場した国内組の“ガチメンバー”招集に含みをもたせた。

今回24歳以下または入団3年目以内で阪神森下、広島小園、巨人門脇、日本ハム万波や西武隅田、楽天早川、日本ハム根本ら投打の新戦力が台頭。ヤクルト村上やロッテ佐々木朗らWBC組との融合を図るには絶好の機会となる。欧州代表は、WBC1次ラウンドで佐々木朗が162キロの死球を与えロッテのお菓子持参で謝罪したチェコや、準々決勝で激突したイタリアの他、イギリス、オランダが中心になるとみられる。あれから1年。新生侍ジャパンをお披露目する。

慶大-青学大戦を見届けた同監督は、12月の大学侍ジャパン候補合宿(松山)も視察予定。来年11月の「プレミア12」を見据え、プロアマ問わず把握する意向だ。内野守備走塁コーチだった東京五輪に、プロ1年目で招集した広島栗林や日本ハム伊藤の例を挙げ「プレミアあたりでもパッという(呼べる)イメージは持ってます。いい選手は呼んでいかないと」。現役時代同様に守備範囲広く目をこらしていく。【栗田成芳】