慶大(東京6大学)は、全日本大学野球選手権を制した青学大(東都大学)に勝ち、19年以来4年ぶり5度目の優勝を決めた。ソフトバンク3位の主将・広瀬隆太内野手(4年=慶応)は追加点の犠飛を放つなどチームをけん引した。

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最後の打者を打ち取ると、マウンドにはあっという間に歓喜の輪ができあがった。広瀬は試合後、グラウンド上でのインタビューで「ありがとーーう!」と苦楽をともにしてきた仲間に感謝した。今夏は“弟分”の慶応が107年ぶりに甲子園で優勝。今季最後の全国大会で“兄弟制覇”を果たした。

頼れる主将は準決勝で2打席連続本塁打を放ち、守備では本職の一塁ではなく二塁を守るなど攻守で活躍を魅せた。この日も先制した直後の8回1死満塁で追加点となる犠飛。「この1年間、みんなで死に物狂いで練習してきたので、努力が報われて本当にうれしい」と喜びをかみしめた。

そんな広瀬から「頼もしい」と信頼を置かれるのが外丸東真投手(2年=前橋育英)だ。2回戦の94球完投から中1日での先発登板で、青学大打線を5安打完封。リーグ戦から負けなしのエースは「決勝で自分の投球ができたのは自信になった」と手応えを語った。

広瀬と外丸、2人は合宿所の同部屋で普段から一緒に行動する仲。外丸は広瀬の大好きなサイクリングに同行することもあり、「景色がいいので」と多摩川にかかる丸子橋までよく自転車をこいだ。今度はふたりで、日本一の景色を見ることが出来た。

慶大野球部を後輩に託し、広瀬は次のステージへ向かう。「これほど大学野球で恵まれた環境でできるのはなかなか無いと思う。この経験を生かしてまた頑張りたい」。最高の学生野球になった。【星夏穂】