阪神青柳晃洋投手(29)が三十路(みそじ)の誓いだ。30歳を目前にして来季にかける覚悟を口にした。5日、甲子園で取材に応じ「このまま沈んでいくのか、もう1回、1軍の開幕から最後まで完走できるようなピッチャーになるのか、来年はすごく大事になる。巻き返せるように頑張んなきゃいけない」と表情を引き締めた。

開幕投手を任された今季、チームが日本一に登り詰める中、昨年のリーグ投手3冠右腕は苦しんだ。18試合で8勝6敗、防御率4・57と不本意な成績に終わった。

11日には30歳になる。チーム最年長33歳の西勇らベテランからは「30(歳)からがしんどい」と聞いている。「そういう年齢になってきたのかなと。あと何年できるか分かんないんで、それは注意しながらやりたい」。年齢なのか勤続疲労なのか不明だが、体の可動域が狭まったと感じるところもある。

復権のためにイメージするのは、日本シリーズ第7戦の投球だ。先発し5回途中無失点で日本一に貢献した。「あれくらいのパフォーマンスは今でもできると思ってるので、それが1年間続くよう、体がしっかり動くように」。今オフは、時間が許す限りトレーニングを行っている。年明けも静岡で、村上らと自主トレをする予定だ。

若手との勝負も受け止める。「僕自身、立場はないと思っている。開幕ローテもたぶん確約されてない。(若手に)いいのがいっぱいいるので、負けないように」。

岡田監督が前面に出ることも多かった今季だが、来季は選手が多くの場面で主役を務めたい。「監督より目立てるように頑張ります」と青柳は笑った。狙うのは連覇だ。試合で選手が目立てば目立つほど、チームは目標に近づくはず。背番号17がその中心にいるために、オフも鍛え抜く。【高垣誠】

○…青柳はMBSラジオ「森たけしのスカタンラジオ」に生出演した。先発した日本シリーズ第7戦の前夜に同期入団で阪神を戦力外になった高山から「シーズン最初と最後に投げられるのはうらやましい。めっちゃ応援しているよ」と連絡が来たという裏話を披露。「そこでスイッチが入った」と感謝した。来季からイースタン・リーグに新規参入する新潟への入団が発表された高山に「うれしいし、応援したい」とエールを送っていた。