大昇給祭! 38年ぶりの日本一に輝いた阪神の主力6選手が10日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改した。来季中にも国内FAの権利取得が見込まれる大山悠輔内野手(28)は1億5000万円増の2億8000万円で単年契約。村上頌樹投手(25)はNPB歴代3位、球団史上最高の昇給率となる857%増の6700万円で更改した。外国人選手を除く来季1億円プレーヤーは今季の7人から球団最多タイの10人となることが確実。生え抜きに限れば球団史上最多の9人となる見込みとなった。

   ◇    ◇   ◇

阪神村上頌樹投手(25)が“歴史的昇給”を果たした。10日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、今季年俸700万円から6000万円増の6700万円で更改。「いい評価をしていただいた。頑張って良かった」。昇給率857%は23年湯浅の球団記録840%を塗り替え、95年イチロー(オリックス)の900%に迫るNPB歴代3位。使い道については「まだ何も考えてなくて。落ち着いてから考えたい」と照れ笑いした。

プロ2年間で0勝だった右腕がチャンスを生かし、一気にスターダムを駆け上がった。4月12日の敵地巨人戦で2年ぶりに1軍先発し、7回を完全投球。以降は安定感抜群の投球でローテに定着した。最優秀防御率にとどまらず、新人王とMVPをダブル受賞するなど大ブレークした。今季年俸は750万円と推定されていたが、700万円だった模様。湯浅の昇給率を上回り「(湯浅は)年下なので良かった」と喜んだ。

この日は大谷が10年7億ドル(約1015億円)でドジャースに移籍。「自分も(冗談で)その金額を言おうか迷ったけど、やめときました。ただビックリ」。一方で憧れを問われると「憧れるのはダメなんで、そこはないです」。大谷がWBC決勝戦を前にナインに呼びかけたセリフを口にして笑わせた。

20年ドラフト5位入団。同1位佐藤輝、2位伊藤将、6位の中野は今オフに1億円プレーヤーとなった。「負けたくない気持ちもあったので、一緒の1軍でできたっていうことは良かった」。この1年で一挙に距離を詰め、来季も防御率のタイトルを狙う。「無駄な失点をなくしたらさらに良くなる」。すでに進化のイメージは出来上がっている。【高垣誠】(金額は推定)