阪神村上頌樹は選んだ漢字の通り躍動した。「躍動、活躍、飛躍…僕の1年を表すには、この漢字かなと思います」。

昨季までプロ2年間で0勝の右腕が10勝。防御率1・75で最優秀防御率のタイトルを獲得し、球界3人目でセ・リーグ初の新人王とMVPをダブル受賞した。自らも「想像できなかった」という大活躍。18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を成し遂げた阪神の象徴となり、迷わず「躍」を選んだ。

飛躍は春の巨人戦から始まった。4月12日、敵地東京ドームの「伝統の一戦」で2年ぶりの1軍先発で7回完全投球を演じた。「本音は最後まで投げてみたかったけど、あのピッチングがなければ今年の成績があったか分からない。岡本さんを三振にとれて自信がつきました」。翌朝、メディアに躍った見出しは「虎の村神様」。球界に衝撃を残した。今オフに退寮し1人暮らしを始めており、「来年、もっと成長した姿を見せられるように練習していきます」と誓った。