2年連続最下位から優勝へ-。就任3年目の中日立浪和義監督(54)が新春インタビューで「ゼロからの必勝チーム構築」を掲げた。得点力アップのため、打点王3度の前巨人中田翔内野手(34)を獲得。打線の軸として期待する一方、細川、岡林ら主力を含めてオーダーの決定はゼロベースであると強調。春季キャンプから競争原理を働かせる。「選手をおだてても強くならない。方針は貫く」と正念場のシーズンを見据えた。【聞き手=伊東大介】

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-昨季規定打席に到達し、2桁本塁打を記録した4番候補の石川昂への期待は

立浪監督 昨年秋に一番鍛えたかった選手の1人。(膝の違和感で秋季キャンプの)最後の4日間くらいしかチームに合流できなかった。オフにどれだけ補って、春にどういう形で来るかが大きい。

-ドラフト2位で三菱重工East・津田啓史内野手(21)を獲得。福永、田中、村松、龍空が競う二遊間固定も課題

立浪監督 内野手の守備の強化は絶対条件。新人2人がどれだけ守れるかも現段階では分からない。守れる選手を二遊間に置きたい。

-外野は昨季24本塁打と覚醒した細川と全試合フル出場した岡林の2人がレギュラー有力か

立浪監督 2人に共通しているのは身体が頑丈で強い。練習できる体力もある。昨季は我慢して使った部分もある。甘んじることなく成長してほしい。(岡林は)器用そうで器用な選手じゃない。出塁や盗塁も一昨年より減っている。あの脚力で12盗塁では少ない。出塁では粘って四球を取ったり。技術を向上する気持ちを持ってる選手なので期待している。

-左翼は大島、鵜飼、新外国人ディカーソンらが控える

立浪監督 ブライトもいて、たくさん候補はいる。左翼なら長打は期待はしたい。鵜飼は足も決して遅くない選手なので、もう少し確実性を上げれば面白い。大島のように実績、経験のある選手もいるが、考えながらやりたい。

-昨季26勝43敗と大きく負け越したビジター対策は

立浪監督 投手陣もいいと言われるが、絶対的な先発投手がいるかと言えば、そうでもない。球場が広ければ、パワーのある投手はストライクゾーンにどんどん投げてもいいが、結局勝負どころはコントロール。勢い、速さも絶対必要だが、勝負どころでいいところに投げられる投手が勝てる投手。勝負どころでの強さを春から身につけてもらいたい。

-規定投球回に到達した高橋宏への期待は

立浪監督 困ったときにいつでもストライクが取れる変化球の精度を上げれば、もう少し投球も楽になる。6回100球くらいのペースがほとんど。本人が課題を持ってからやっているとは思う。

-先発は7、8回まで

立浪監督 中継ぎがいるといえども、ローテの中に3人ぐらいは7、8回までいってくれる投手が出てこないと。先発投手の責任イニングは7回を目標にしてもらいたい。

-投手3年目の根尾は昨季終盤の先発2試合で防御率0・71とアピール

立浪監督 今季はローテーションの競争に加わって、結果を出して入ってきてもらいたい。昨季の最後にいいものは見せてもらった。その自信は大切にしてもらいたい。

-トミー・ジョン手術から復帰した梅津も3試合で1勝1敗、防御率0・95と明るい兆し

立浪監督 あれだけの体もある。球も速い。打者をそれこそ抑え込むような迫力のある投手。一番期待したい選手。

-去年は動員200万人を超えファンの期待も

立浪監督 皆さんは勝つこと、優勝することを期待してくれている。プロ野球選手は、ファンの人を喜ばせられるプレーをする、勝ちにつなげることが1番。努力は当然する。もう1回、気持ちを今年新たに入れ替えて、スタートしたい。

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