東京6大学の早大が5日、東京・東伏見の同大グラウンドで全体練習をスタートさせた。エースナンバー「11」を託された伊藤樹投手(2年=仙台育英)は「すごく良い経験になる」と目を輝かせた。

2度の甲子園出場経験を引っ提げて早大に入学し、1年春からリーグ戦に登板。昨秋は4勝の活躍を見せた。小宮山悟監督(58)は「3年で11番をつける重みを感じて欲しい」と力を込める。

早大の背番号「11」には重みがある。さかのぼること60年の早慶6連戦。当時の背番号11、安藤元博投手が5試合を完投し、逆転優勝に導いた。それ以降、右腕エースナンバーとして受け継がれる。創部1901年から続く伝統校。重みがあるだけに、空き番号となる年もある。

伊藤の入学時は空き番号で「まあ、つけないんじゃないかな」とエースナンバーがはるか遠くに感じていた。2年になると、間近で前チームのエース加藤孝太郎投手(4年=下妻一)が「11」を背に活躍する姿を見てから、気持ちが変わった。「2年目のシーズンから11番に対するこだわりが強くなりました」。今秋は初勝利を含む4勝を挙げ、31回2/3を投げて防御率1・99。次のエースに相応しい結果を残した。

3年目の強化ポイントは「球速」と明言した。「マックスは151キロ出るんですけど、アベレージの球速ってところで。常時140キロ後半を出せるように」と、オフは体とフォームづくりに励んでいる。