オリックス山下舜平大投手(21)が、防御率1点台前半で伝説的投手と肩を並べる。20日、大阪・舞洲の球団施設で自主トレを公開。昨季は95イニングと規定不足ながら防御率1・61。さらなる改善を4年目の目標に掲げた。「防御率は先発としてこだわっていく数字。1点台はいきたいし、1点台前半を残している方もいるのでいきたい」。

1・50未満はドジャースに移籍した山本が昨季1・21など2度。2リーグ制後は15人が21度のみ。村山実、金田正一、杉浦忠らレジェンドが並ぶ。新人王を獲得した次世代エース候補が高い壁に挑む。

プロ初登板の開幕投手から9勝(3敗)の昨季は、体調面を考慮され、長い登板間隔が目立った。「今年から中10日とかはなくなってくる。中6日で回れるように」。8月末に腰椎分離症で離脱後、肉体改造をスタートさせた。詳細なデータに基づいた筋トレを導入。3時間おきに1日5食などの食事管理も加え、体重は5キロ以上増えた。「シーズン中できないようなトレーニングもできたし、いい時間にできた」。結果的に長くなったオフ期間で準備を整えてきた。

18日には5カ月ぶりブルペンで手応えを得た。捕手を立たせ、カーブも数球交えた15球を「かなりいい感じ」と振り返った。鍛えた“中6日ボディー”を投球に落とし込む作業がキャンプで進めば、最速160キロの出力更新も見込める。

「維持しても意味がない。どんどんレベルアップして超えていくのが大事。由伸さんとかサチさんの穴を1つでも埋めて優勝に貢献できたら」。山本と山崎福が抜けた先発陣を支える。同じく防御率のタイトルを狙う先輩宮城との争いになれば、チームの4連覇が近づく。【大池和幸】

◆防御率1・50未満 2リーグ分立以降では、15人が計21度達成している。最多は3度で、稲尾和久(西鉄)と村山実(阪神)。このうち村山が70年に記録した防御率0・98は、2リーグ分立後のプロ野球最高だ。直近は昨年の山本由伸(オリックス)で、同年の12球団最高1・21を残しNPBで有終の美を飾っている。なお1リーグ時代には、全球団合わせて19投手が計32度達成。球団最高は、阪急時代41年の森弘太郎0・89。

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