4月1軍デビューあるぞ! ソフトバンク倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(49)が22日、ドラフト1位の前田悠伍投手(18=大阪桐蔭)を「武田の教訓」で育成するプランを明かした。高卒1年目で8勝を挙げた武田翔太投手(30)の成長過程に倣って、ブルペン投球はしばらくお預け。細心の育成計画を消化し、実力とコンディションで支障がなければ「4月の可能性もなきにしもあらず」と早期1軍デビューの可能性も示唆した。

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ドラフト1位左腕の早期1軍デビューが、現実味を帯びてきた。倉野コーチが、新人合同自主トレを初めて視察。注目の前田悠に「調子はどう?」と声がけ。全国屈指の強豪校出身の最速148キロ左腕について「年間を通したプランを立てて、やっています。そのプラン通りに進めてもらっています」としつつ「上方修正もできる」と言及した。

「武田がすごくいい例。本人にもその例を出して、話をしました」

11年ドラフト1位の武田は前評判が高く、キャンプイン初日にブルペン入り。だが倉野コーチは「この状態だったら厳しいと分かったのですぐに下方修正した」と振り返る。育成のペースを落とし、結果的に同年は11試合で8勝1敗、防御率1・07の好成績だった。

「想像の世界だから分からないけど、(武田は)あのままいっていたら1年目の1軍成績はなかったんじゃないかなと」。成功例として脳裏に刻んだ「武田の教訓」をもとに、前田悠も慎重に育成する方針。キャンプイン初日のブルペン入りは、なさそうだ。

とはいえ、世代NO・1投手と言われる金の卵はロマンたっぷり。同コーチは「基本的に開幕から1軍とは考えていない。その実力があっても1、2カ月で落ちたら意味がない」と前置きしながらも、早期デビューの可能性も示唆した。

「医学的観点からも評価してもらって、正しい方向で進ませてあげたい。その中で上方修正して、結果的に5月から1軍にいけますってなるかもしれないし、4月の可能性もなきにしもあらず。いろんな情報を集めて、総合的にみんなで判断していきたい」

前田悠はこの日、キャッチボールなどで汗を流した。向上心は高く「自分がチャンスを取りに行くというイメージ。抜け出していけるかを考えてやっていきたい」。育成プランがハマれば、1軍の先発デビューは早いかもしれない。【只松憲】

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