“初”ものずくめで華々しく滑り出した。DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が沖縄・宜野湾キャンプ初日の1日、フリー打撃の初スイングで豪快に“プロ初アーチ”を放った。連続ティー打撃で追い込んだ後、30スイングで3本の柵越えを披露。練習後にはルーキーでは初となる球団歌のレコーディングで美声を響かせ、こってり濃厚なキャンプ初日を終えた。

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懐の広い“令和流指導”が度会をのびのびと成長させた。元近鉄の選手でもあるENEOS大久保秀昭監督(54)にとって、度会は18年の監督生活の中でも異質な存在だった。「監督人生で一番会話をした選手でしょうし、一番話しかけてきた選手。友達だと思われてます。でも嫌いじゃなかった」と苦笑いした。

3年間、日々漫談のような掛け合いが続いた。フリー打撃で快音を響かせ「監督、監督!今の打球見てくれました?」「見てねーよ!」。ツッコむ時もあれば「見た、見た。すごいね、すごいね。でも練習で打ってもお金にならないから試合で打ってね~」と持ち上げつつ、満足はさせない。注意する時は「1位でプロ行きたいなら、やった方がいいんじゃないの~?」と、危機感をあおるだけ。「キツく言って締め付ければ…というタイプではなかった」と大久保監督。恩師の的確な指導もあり、度会はENEOS入団時に誓ったドラフト1位でのプロ入りを実現させた。【小早川宗一郎】

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