“初”ものずくめで華々しく滑り出した。DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が沖縄・宜野湾キャンプ初日の1日、フリー打撃の初スイングで豪快に“プロ初アーチ”を放った。連続ティー打撃で追い込んだ後、30スイングで3本の柵越えを披露。練習後にはルーキーでは初となる球団歌のレコーディングで美声を響かせ、こってり濃厚なキャンプ初日を終えた。

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「よろしくお願いします!」。度会の、はつらつとした声が響いた。左足の足場を掘り、打席に入る。その直後。フリー打撃の初スイングでボールを捕まえた。逆風をものともせず、ぐんぐん伸びた打球は右翼席ポール際に着弾。「1球目の入りは元々、大事だと思っていた。打撃練習としてではなく、試合の投手が投げる初球の気持ちで打席には入っている。戻り風の中でまさか入るとは…」と、自らも驚きだった。

疲労の影響をものともしなかった。フリー打撃前、連続ティーなど3種目のハードなティー打撃で、倒れ込むほどヘトヘトだった。「自分に勝て!」と言い聞かせながら追い込み、終了時には観客から拍手が送られるほどの気迫。直後のフリー打撃初スイングで柵越えを放ったと同時に、左ふくらはぎがつった。「ホームラン打った時につってたッス。でも、もう治ったッス」と、度会スマイルを浮かべた。

持ち味のコミュニケーション力も、遺憾なく発揮中だ。初対面の選手が多く、積極的にあいさつして回った。練習前にはスライディングパンツをうっかり忘れたことに気付き、近くにいた7年目の山本に「持ってないですかね…? 貸してください」と頭を下げて懇願。新人合同自主トレ中に球団施設で仲を深めており「みなさん、とても優しくて、僕もそうなれるように1日でも早く頑張りたい」と、懐の広さに感謝した。

濃厚な初日を終えても表情は明るいまま。「ためになっていると実感できる。1日1日大切に、まだまだ元気を出して頑張りたい」。野球ファン待望の球春到来。度会がド派手に盛り上げる。【小早川宗一郎】

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