オイシックス新潟アルビレックスBCで、ただ1人の高卒ルーキーで新潟・上越市出身の山田龍青内野手(18=関根学園)が「心技体」でレベルアップを図る。攻守においてプロの壁の高さを痛感しながらも、新潟での1次キャンプ(15日まで)で充実の日々を過ごしている。17日から静岡・伊豆市(志太スタジアム)に場所を移し、2次キャンプに突入する。自慢の守備力を武器にフレッシュにグラウンドを駆け回る。

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18歳の若武者が「ショート1本」宣言で、定位置を狙う。持ち味は躍動感とスピード感のある守備。同じ遊撃のレギュラー候補には前オリックス園部佳太内野手(24)や前DeNA田中俊太内野手(30)らがひしめく“激戦”ポジションだが「層が厚いので、もっとスピード感をつけて目立っていきたい」と負けるつもりはない。

NPB入りへの強い思いがある。関根学園1年時には、2学年上に同じ遊撃手で21年育成ドラフト2位で西武入りした滝沢夏央内野手(20)がいた。「夏央さんが身近にいて、それまで漠然とした夢でしかなかったプロ野球選手が明確な目標に変わった」。2年時の進路選択の際には同校の安川巧塁監督(32)からの「お前は社会人とかプロに近い、上のレベルに行け」と後押しもあり、声がかかったオイシックスへの入団を決めた。

初の1人暮らし。「親のありがたみを感じています」と食事や洗濯など家事全般に苦戦している。だが、自分の選択に後悔はない。「一日中、野球のことを考えられる。技術もレベルアップしている感じはあるし、濃い時間を過ごせている。毎日が充実しています」。

生まれも育ちも上越市で生粋の新潟県民だ。「新潟出身ということで注目もされると思う。その期待に応えて、新潟の方々に感動や勇気を与えたい」。その先のNPB入りへ-。「自分の勝負は2年後、3年後だと思っている。まずはこの1年でプロ相手にも負けない土台と体を作っていきたい」。焦らず、1歩ずつ歩みを進めていく。【大島享也】

◆山田龍青(やまだ・りゅうせい)2005年(平17)11月18日生まれ、新潟県上越市出身。飯小2年から高北アローズで野球を始める。城北中では上越リトルシニアに所属。高校は関根学園に進学し、1年秋から遊撃でレギュラーに定着。3年夏は2回戦で加茂暁星に3-6で敗戦。甲子園出場はなし。176センチ、75キロ。右投げ右打ち。血液型はA。背番号56。