全国の1987年(昭62)生まれの野球指導者で結成された「昭和62年会」がこのほど、宮城・加美農体育館で野球教室を初めて開催。少年野球チームと野球未経験の子ども約70人に、同会のメンバーと加美農、東北の野球部員が指導した。同会はこれを皮切りに、全国約2万の小学校に寄贈されたドジャース大谷翔平投手(29)の「大谷グローブ」を有効活用した「キャッチボール教室」などの企画を通して、野球の魅力を伝えていく。

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「昭和62年会」は、同年生まれの野球指導者の結束を高めるとともに、野球の魅力と情熱を未来につないでいくことを目的に2018年に結成された。

メンバーの聖光学院(福島)堺了コーチは、甲子園出場時に同宿だった縁で、「昭和62年」生まれの日南学園(宮崎)佐々木啓太コーチと出会い「野球人口減少を何とかしたい」という同じ思いもあり、同会を立ち上げた。その後、全国の同年生まれの野球指導者を募り、現在は約60人が所属。情報共有を目的に親睦会や野球教室を企画していたが、新型コロナウイルスの拡大により中止。だが、昨年末に久しぶりに親睦会を実施。断念していた野球教室開催に向けて動きだした。

今回は加美農・佐伯友也監督が中心となり、宮城県高野連に企画書を提出。同校体育館での野球教室が実現した。佐伯監督は「野球人口の減少を食い止めるためにも、野球に触れる機会をつくり、野球界に恩返しをしたい」と語り、聖光学院・堺コーチは「野球の素晴らしさを伝えるためにも、柔軟な対応で入り口を広くしてあげる必要がある。1度きりで終わらせず、これからも継続していきたい」と意気込んだ。

さまざまな活動を通して野球界を盛り上げていく。その一環として市ケ尾(神奈川)の菅澤悠監督は、ドジャース大谷投手が全国約2万の小学校に寄贈した「大谷グローブ」の有効活用を目的に、県内の小学校5校を対象とした「キャッチボール教室」を企画している。今後も野球の魅力や情熱をつなぐ「架け橋」の役目を果たし、野球界を盛り上げていく。【木村有優】