阪神佐藤輝明内野手(24)が、進化して甲子園に帰ってきた。2月29日、今年初めて甲子園で行われた全体練習に参加。フリー打撃で“24年1号”など、右翼スタンドに大きな柵越えを運んだ。50振で6本のアーチをたたき込んだが、「別に何もないです。普通に」とさらり。キャンプからの取り組みを継続しているだけと、頼もしく強調した。

中でも目を引く昨年との違いは、放物線の高さだ。とらえた打球を高々と舞い上げ、文字通り「アーチスト」の軌道を描いてスタンドイン。それもギリギリではない。この日、風はほぼ吹いていなかったが、仮に左打者泣かせの「浜風」が吹いても、1発と確信するだけの飛距離もあった。

オフに米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で打撃フォームを徹底解析。本塁打になりやすい打球角度を求め、沖縄・宜野座でのキャンプもバットを振り続けてきた。2月12日の紅白戦で秋山から放った1発は右翼への推定120メートル弾。同23日の巨人とのオープン戦で赤星から放った右中間への一撃は、推定125メートルだった。いずれも軽々とオーバーフェンス。昨季は球団の生え抜き左打者で85年掛布以来となる甲子園2桁弾を達成したが、この日のフリー打撃で、さらなる量産への期待が高まった。

気温は10度を下回り、沖縄に比べて15度ほど低かった。「寒いです」と本音も漏らしたが、札幌ドームで行われる2日からの日本ハム2連戦に向け「(寒さに)気をつけます。睡眠しっかりして」と気合十分。自己管理も徹底し、北の大地でも真価発揮の1発を見舞う。【中野椋】

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