イメチェンで開幕白星を引き寄せる。開幕投手に指名されている日本ハム伊藤大海投手(26)が1日、イースタン・リーグ春季教育リーグオイシックス戦で今季実戦初登板。2回完全、4奪三振と完璧な投球を披露した。昨季までの宝刀スライダーやスプリットに加え、新球スイーパーも含め各球種均一にミックス。決め球に頼らないバランスの取れた配球を生かし、球団として15年大谷翔平以来9年ぶり開幕先発勝利をつかむ。

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今季の伊藤はこれまで以上にカメレオンのような投球で、打者の打ち気をそぐ。本拠エスコンフィールドでの今季初実戦登板は、初回の2者連続三振を含む4奪三振。1本も外野に飛ばされることなく打者6人を23球で抑えた。「やりたいこともしっかりやりましたし、いいボールも中にはあったので70点くらい」と自らに及第点を与えた。

多くの球種を満遍なく散らし「新ひろみ像」を築く。この日のテーマは「同じボールを続けない」こと。打者6人に対し同じ球種を続けたのは2度のみ。「何かの球種に偏らないように。全部20%、20%みたいなイメージで。佐々木朗希投手のように剛速球があるわけではない。真っすぐを通したいと考えた時に変化球をいろいろミックスしていけば通るところも通ってくる」。決め球のスライダー、スプリット頼みではなく、大きくスライドする切れ味抜群のスイーパーも初使用し、相手を圧倒した。

熱い男。だからこそ、気をつけたいことがある。「四球が課題。決着つかないボールを減らしたい。真っすぐでファウルになったかといって、むやみに真っすぐで押し切る必要もない。かわすとは違うんですけど、こっちから仕掛けるスタイル」とイメージした。

球団での開幕先発投手の勝利は15年の大谷以来遠ざかる。「チームにリズムを呼び込めるような支配的な投球を」。ひと皮むけた“新ひろみ”が、開幕勝利へGOGOと、突き進む。【永野高輔】

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