青春時代を思い出しながら、熱くグータッチを交わした。オリックスから戦力外通告を受けてDeNAに新加入した中川颯投手(25)が4日、球団施設DOCKでブルペン入り。相手は桐光学園(神奈川)の同学年でバッテリーを組んだ大坪亮介チームサポーターブルペン捕手兼ファーム用具担当(25)だった。仲良さそうに声をかけ合いながら29球を投げ終え、「懐かしかったです」とかみしめた。大坪氏も「考え方も大人になった」としみじみ言った。

最後に組んだのは8年前。高3夏の県大会準決勝、場所は横浜スタジアムだった。現楽天藤平、現DeNA石川らを擁する横浜高校に敗れた。以来、中川颯は立大を経てオリックスに入団。昨オフに戦力外通告を受けてDeNAに加入した。対してU15日本代表の経験を持つ大坪氏は国学院大、BC栃木を経て22年からDeNAのブルペン捕手に。中川颯の状況をチェックし、陰で応援してきた。

偶然が重なり、同じユニホームで共闘することになった。高校時代は学年で2人だけ寮生で同部屋で過ごした時期も。休日には一緒に買い物に出かけ、辛い時には夜中まで弱音を吐き出し合った。大坪氏は「困ったことは小さいことでも何でも聞いて欲しい」と全面サポートを約束。中川颯は「立場は選手同士じゃないけど、一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してやっていきたい」と頼りにした。

現在は開幕ローテ争いの最中で、6日には横浜スタジアムのオープン戦に登板予定。「先発でも中継ぎでも、上(1軍)にこだわって準備していきたい」と誓った。信頼できる友のサポートも受けて、新天地で自らの居場所を確立する。