今季からプロ野球ウエスタン・リーグに新規参入するくふうハヤテは、広島に2-5で敗れた。対NPB初勝利は逃したが、1日に合流したばかりの平間凛太郎投手(29)が存感間を示した。6回から3番手で登板し、3回4安打無失点。「0に抑えられたことは自信になる」と汗を拭った。

6回は3者凡退。好発進すると、ピンチでも要所を締める。8回1死満塁の場面では、直球で広島佐藤啓介内野手(22=静岡大出)のバットを折り、遊直併殺に仕留めた。四国IL・高知に所属した22年、同リーグ選抜の一員として臨んだフェニックスリーグで5回15失点を喫した相手に好投。「持っている球の成長だけでなく、ピンチでの球種の選択にも自分の成長を感じた」とうなずいた。

23年オフにメキシコのウインターリーグに参加。メキシコシティ・レッドデビルズでプレーしたが、契約には至らなかった。「海外も含めてトップのリーグでプレーする目標がある。NPBと対戦できるハヤテが1番良いと思った」。夢を追い、先月24日の投手トライアウトを経て入団した。

15日に迎えるオリックスとの開幕カードまで残り9日。平間は「まだ持ってる出力の7割ぐらいしか出せていない。開幕に向けて100%に近い状態にもっていきたい」と表情を引き締め、試合後も筋トレに向かった。【前田和哉】

 

○…深谷力捕手(23)が、チーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。3回の第2打席で中前に運ぶと、5回の第3打席では右翼フェンス直撃の一打。いずれも2ストライクと追い込まれた状態から、打撃フォームをすり足に変えて快音を響かせた。内田順三打撃アドバイザー(76)の助言で磨いた武器の対応力を発揮。「打席での内容も良かった。練習の成果が出たと思う」と手応えを口にした。

 

○…チームはこのほど、JR静岡駅の商業施設「アスティ静岡」で、15日から始まるオリックスとの開幕カードに向けてPR活動を行った。奥田域太(22)東海林碧波(22)野口渉(22)の投手3人と、前ロッテ谷川唯人捕手(21)の計4選手が参加。応援企画として特大ポスターなどで装飾された館内を中心に約40分間、試合の日程などが入ったチラシを配布した。

奥田域は「受け取ってくれた人の中にも、まだ(くふうハヤテを)知らない人もいたと思う。これを機に、1人でも多くの方が見に来てくれたらうれしい」と願った。野口村は「快くチラシを受け取ってもらった。挑戦者という気持ちを忘れずに1から頑張っていきたい」と参入初年度のシーズンへ決意を新たにした。