右肩甲骨を骨折し、東京6大学春季リーグ戦(13日、神宮)の出場が絶望的とされていた今秋ドラフト1位候補の明大・宗山塁内野手(4年=広陵)が3日、日立製作所との社会人対抗戦でシートノックに参加した。試合には出場しなかったが、ベンチから身を乗り出しチームを鼓舞した。

宗山は2月29日のオープン戦で死球を受けた後、侍ジャパンに選出されるも、3月6、7日の欧州代表戦前に「右肩甲骨骨折」と診断され、全治3カ月を見込まれた。ヤクルト橿渕聡編成部スカウトグループデスク(49)は、宗山の軽快な動きに「びっくりしている。ちょっとまだほそぼそ投げてるイメージですけど、順調に回復してるのかな」と現状を確認した。

指揮官の方針は一貫していた。田中武宏監督(62)は、宗山が自らの意思でシートノックに参加していると話し、続けて「いないもんだと思って最初からやっている。使うつもりはない」と春季リーグ戦の構想からは既に外していると説明した。予定より早く完治した場合でも「ぶっつけ本番で、そんな甘いもんじゃない」と慎重な姿勢を崩さなかった。主将としての役割に期待を寄せ「ベンチワークはよくやってくれている。(ベンチから)外す選択肢はない」と宗山への信頼感も示した。【黒須亮】

○…宗山不在の穴は、津田基(もとき)内野手(2年=近江)と光弘帆高内野手(2年=履正社)が埋める。スタメン出場した津田は22年春にセンバツ準V、光弘は同年夏にU18日本代表に選ばれるなどそれぞれ実績を持っている。田中監督は「同じ左打ちですし、(現状は)この2人を入れ替えて使っている」とリーグ初戦となる20日の東大戦に向け、競争を促している。