ベースボール・ファイブ(B5)の魅力とは? 男女混合の手打ち野球として普及が進む新スポーツ。B5の日本代表も「侍ジャパン」として活動することとなり、13日から韓国・ソウルで行われる第2回アジアカップに侍ジャパンのユニホームを着て出場する。

「野球」と言っても、投手がいない、フェンスオーバー、ファウルなどはアウト、リード禁止など野球と異なるルールは多い。また大きな特徴の1つが、男女混合でプレーするという点だ。

元女子野球日本代表で、現在は茨城ゴールデンゴールズでプレーする六角彩子選手(32)も代表入り。「ソフトボール、野球とはちょっと違うが、同じダイヤモンドスポーツで、男女が一緒に平等にできる」ことに一番の魅力を感じたという。

小学、中学では男子と一緒に野球をプレー。だが「男性と女性の差が野球ではすごく感じられたというか、パワー、スピードは、どうやっても勝てない」と感じた。高校から女子野球に進んだが、それでも「男性の野球と女性の野球は、まだまだ差がある。取り上げられ方もそう。待遇もそう」というのが率直な受け止めだった。

そんなときにB5と出会い、男女混合スポーツの魅力を知った。「男性よりも、例えばヒットを打つ可能性もある。対等に戦えるというのを、すごく感じた。男性と一緒に同じフィールドに立てるというのが、とても魅力的に感じた」。19年3月には単身キューバに渡り、B5の公認インストラクターの資格を取得した。

男性の選手は、男女混合をどう捉えているのか。島拓也主将はB5を始めた当初「どういう考えかを(男女で)共有しないと、1つ1つのプレーにズレが生じてしまう」と感じたという。例えば、スピード感に男女で差があった。しかも、そのスピード感は、B5という競技の特性でもある。ズレが大きいと、プレーの精度は落ちてしまう。

「その差を埋める話し合いが結構大事かなと思いました」と、練習から男女でコミュニケーションを取るよう心がけた。「みんなが向かうべき方向、プレーの方向が一緒じゃないといけない。差を埋めるために、いろいろ考えを共有したい」。

全員で考えを共有するのは、どのチームスポーツでも欠かせない。ただ、B5は男女混合で行われるだけに、男女の協力がプレーのカギ。それが魅力とも言えそうだ。【古川真弥】

 

◆B5の主なルール

投手が存在せず、打者は自分でトスを上げて手で軟らかいボールを放つ。本塁打、フェンス直撃の打球はアウトとなるため、力自慢のスラッガーだけでは苦戦を強いられる。5イニング制。選手登録は8人まで(控え3人)。フェアゾーンは一辺が18メートルの正方形で塁間は13メートル。ボールは84・80グラム(NPB公式球は141・7グラム~148・8グラム)の天然ゴム100%。野球と同じ内野の4ポジションのほか、二塁ベース付近を守る中間守備(ミッドフィルダー)が存在する。バッターボックスも一辺3メートルの正方形で、助走を付けて打つことができる(バウンドするまでに足が出るとアウト)。ファウル、空振りは1度でアウト。走者はリード禁止。