阪神前川右京外野手(21)が敗戦の中で光り輝いた。主砲の大山がこの日から2軍に降格する非常事態で、プロ初の2番で出場。先制二塁打で起用に応えた。

0-0の3回、イニング前に円陣を組んで迎えた2死一塁のフルカウント。「ゾーンにきた球は思い切って」と積極的な姿勢は崩さなかった。楽天先発・内の151キロ直球を強振。右中間を深く破り、一塁走者中野を悠々生還させた。

「追い込まれていましたが、強くスイングすることができましたし、先制点を取ることができてよかったです」

日本一になった昨年、最も多い61試合で中軸を組んだ佐藤輝、大山、ノイジーが2軍調整中で、日々試行錯誤を続ける虎打線。前川にかかる期待は大きい。昨季の55試合目は22通りのオーダーだったが、今季は早くも35通り目。背番号58はつなぎも求められる2番を託されたが、高い適応力を発揮した。

試合前には中野に同打順での役割を質問するなど準備も欠かさなかった。そして初回無死二塁の第1打席目は“大根切り”のような打法で二ゴロを転がす進塁打で1死三塁の好機を演出。5回には四球出塁でチャンスを広げた。「また同じ打順になっても、ちゃんと仕事ができるように頑張ります」と鼻息は荒い。

岡田監督は「点取るためやろ」と2番起用の意図を明かしたが、交流戦はこれでチーム最多の5打点。超満員4万2615人で埋まった甲子園で、虎党に希望を見せた。【波部俊之介】

【動画】阪神前川右京、初2番で右中間破る先制適時二塁打