巨人菅野智之投手(34)が3年ぶりの完封劇で、チームを今季3度目の5連勝へ導いた。

DeNA打線を3回まで無安打投球。5回に味方打線から5得点の大量援護を受けると勢いはさらに加速し、志願した9回まで投げ切った。今季敵地では10戦7勝と負けなしで、巨人では01年入来(8連勝)以来23年ぶりの無双ぶりを発揮し、リーグトップタイの9勝目を挙げた。今季3度目の同一カード3連勝で貯金を最多の11とし、2位広島とのゲーム差を3へと広げ、混セを抜け出して独走態勢へと持ち込む。

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格別の思いが込み上げながら、菅野は両腕を突き上げた。9回2死一、二塁、DeNA柴田を中飛に仕留めた。117球を投げ抜き、最後までスコアボードにゼロをそろえた。21年4月16日DeNA戦以来、3年ぶりの完封。噴き出す汗を拭いながら「いろんな苦難がありましたし、この3年間、壁を超えられない自分がいたけど、この試合で何か1つ乗り越えられた気がする」と感慨に浸った。

8回を投げ終えた後、杉内投手チーフコーチに意思を聞かれた。蒸し暑さに体力は厳しかった。でも、腹は決まっていた。「ここは行かしてください」と即答。最後は「気力。何とか気持ちで」。出し尽くした。

夏の横浜スタジアム。17年前も、そのマウンドに立っていた。07年7月29日。神奈川県大会決勝、東海大相模のエースとして、桐光学園に敗れた。あと1歩で聖地に届かなかったが、その時も最後までマウンドに立ち続けた。当時も今もずっと変わらないことがある。「一日一生」の言葉を大切にする。恩師の門馬監督(現創志学園)がよく口にしていた教えだった。

「明日もし、自分の人生が終わるとなっても悔いのないように生きろ。その1日を大切に。その1日が自分の一生くらいのつもりで生きろ」。

今生きているプロ野球の世界と高校生は違う。ただ、芯の部分は同じ。「今、そんな気持ちで生きてたら、しんどい部分もあるけど。その1試合、1日の練習にしっかり取り組めという言葉の裏返し」。今もふと「一日一生」の金言を思い出し、その瞬間に懸ける気持ちを呼び起こす。

自己ワースト4勝と苦しんだ昨季の姿はもうない。34歳。体の変化に向き合いつつ、同時に変わらぬ芯の強さを貫く。もがきながら菅野は殻を突き破った。【上田悠太】

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