大逆転アレンパいけるぞ! 阪神佐藤輝明内野手(25)が、今季初のグランドスラムで9得点大勝&4連勝を導いた。4点リードの6回2死満塁。東都の虎党が待つ左翼へ12号を届けて勝負を決定づけた。5回にも中押しタイムリーを放ち、今季初の5打点の大活躍だ。チームは試合のなかった首位巨人に約1カ月ぶりの2・5差以内に再接近。残り18試合での大まくりへボルテージは最高潮だ。
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神宮の虎党は、目の前にかかった放物線に夢の逆転Vを確信した。佐藤輝は黄色に染まった左翼席に目をやった。5-1の6回2死満塁。元阪神尾仲の真ん中直球を逆方向へ。ツバメの戦意を完全に打ち砕いた。
「みんながつないでくれたチャンスで、いい打撃ができてよかった。ビーズリーを援護できてよかった。いい状態だと思います」
甲子園での中日戦3連勝に続き、強い虎を東京でも見せつけ4連勝に導いた。
4年間歩むスラッガー道の節目にもなった。満塁弾で通算80号と通算300打点をダブルでクリア。それでも謙虚に言った。「僕だけじゃ無理なこと。しっかり走者に出てもらっている人たちのおかげです」。
神宮は大好物だ。4月の決勝弾を含む今季4本塁打、打率3割5分3厘はセ本拠地別でベストの成績。満塁弾は通算4本目だが、昨年9月13日の巨人戦、優勝マジックを1にしたV弾以来というのもあの熱狂を思い起こさせる。5回の適時打も含めて今季最多5打点の荒稼ぎ。巨人岡本和に7差に迫る61打点で、タイトル争いにも加わってきた。
開幕から苦悩の日々を送った。仕事を忘れリラックスに専念する自宅で、ふと体を起こしてバットを握った。夜中に思い立って打撃のビデオを見たこともあった。「普段は野球から離れればそんなに深く考え込むことはないんですけど…。でもそういうのも普通ですよ、普通」。
5月には2軍落ち。「我慢や、我慢」。耳にタコができるほど2軍首脳陣から声が飛んだ。手を出してしまう高い直球、低い変化球をいかに見極めるか、突き詰めた。長い苦しみが8月の6本塁打、21打点と9月の好調につながっている。
かみ合いだした歯車。岡田監督は「みんなそら分かってるからな、9月が勝負になるっていうのは。打線もある程度、点を取れる。そしたら投手もええように回るよな。ええ回りの相乗効果やな」と手応え。試合のなかった首位巨人と2・5ゲーム差に詰めた。首位から2・5差以内は、8月8日の2差以来。すでに自力2位も復活しており、敗れた2位広島とは1・5差で、鯉の尻尾もつかまえた。
テ~ル! テ~ル! 球場の去り際、ファンの大声援が背番号8に届いた。この男抜きで、逆転Vはあり得ない。【柏原誠】
▼佐藤輝がプロ4年目で通算80号本塁打を放った。503試合目での到達で、阪神の生え抜き選手では田淵幸一342試合目、掛布雅之471試合目に次ぎ3位。岡田彰布の550試合目より47試合早い。また、この日で通算301打点をマーク。300打点到達は、田淵523試合目、掛布544試合目、岡田568試合目を越えるハイペースだ。
▼佐藤輝の満塁本塁打は、23年9月13日巨人戦以来、プロ4本目。過去はいずれも甲子園で、他球場では初となった。
▼阪神の満塁本塁打は今季3本目。5月11日DeNA戦の近本、6月16日ソフトバンク戦の前川以来。
▼阪神打者のヤクルト戦の満塁本塁打は、20年7月28日(神宮)以来。この試合ではボーアとサンズが、プロ野球史上初となる来日1年目外国人のグランドスラムそろい踏みを記録した。
▼阪神のドラフト1位入団の近本、森下、大山、佐藤輝の打点そろい踏みは通算6度目。昨季は1度で今季は5度目で、チームは6戦全勝だ。



