超難敵の東撃ちを決めた阪神岡田彰布監督(66)は、思わず表情を緩めた。「ああ、ね。うまく決まりましたね」。短い言葉に充実感を漂わせたのは、1点リードで迎えた6回の総攻撃だった。
先頭の梅野が投手強襲安打で出塁すると、次打者の木浪はバントの構えを見せた。バント失敗後のカウント2-2から、東の5球目にバスター。意表を突く作戦がズバッと決まり、打球は一、二塁間を破った。
続く島田も、1ボールから高めの直球をバスター。無死一、二塁で犠打が予想される場面で、してやったりの左前打。無死満塁の絶好機をつくり、東が32試合続けてきたQSを止める近本の4点目の適時打につなげた。「そんなん久しぶりやろ」。難攻不落の左腕相手に練りに練った指揮官の策が、ここぞの場面でピタリとはまった。
DeNA東には今季3度の対戦で0勝2敗、昨年から4連敗中だった。それでも指揮官は、攻略できると確信していた。「東も今日はそんな良くなかったよ、初回から、おーん。高いボールも多かったし。なんとかね、点は取れるなとは思ってたけどな」。1点を追う4回1死一、三塁では青柳にセフティースクイズを命じて2-2同点。決勝打は森下の1発だったが、バスター2連発とスクイズを絡めた岡田采配ズバリの10安打5得点で東を沈めた。
「ここまできたら、相手が何勝しているピッチャーとかそんなもん関係ない。(対戦は)4回目で、おーん。みんなも分かっているし、大事なゲームというのも分かっている」
大事な甲子園7連戦の初戦に快勝。逆転Vへ内容も伴った勝利に指揮官もご満悦だ。「この7つは大事な試合なの分かってるんやから。(白星は)取れたとかじゃない、取りにいってるんやから。勝手にやって勝ったんちゃうから。勝つためにやってるんやから、ここまできたら」。力強い手応えを得て、一気に白星を積み上げる。【磯綾乃】
▽阪神木浪(6回無死一塁からバント失敗後にバスターで右前打を放つなど3安打)「バントを決めないといけない。これからもっと大事な場面がくるので、その練習をしっかりやらないと」
▽阪神島田(6回無死一、二塁でバスター成功)「前の打者が必死につないでくれているのでどんな形でもと。冷静に空いているところを見ながら打てたので、できすぎかなと思います」
▽阪神中野(6回無死満塁で5点目の投手強襲適時打)「チームとしても一体感ある試合ができた。この初戦を取った勢いのまま、明日以降もいい流れでいけるようにやっていきたい」
▽阪神石井(7回に森下の本塁捕殺のアシストを受け)「かなり助けられた。かなりどころじゃない。あれはエグい。0(点)になると思っていなかった」



