富士大が3季ぶり39度目の王者に輝いた。3季連続Vを狙った八戸学院大を5-3で破り、ここまでリーグ戦8戦全勝で優勝を決めた。今秋ドラフト候補の左腕エース佐藤柳之介投手(4年=東陵)が先発し、6回0/3を8奪三振1失点と好投。10球団18人のNPBスカウト陣が見守る中、3回まで5者連続三振を含む完全投球などで、チームの優勝に貢献した。富士大は10月26日から行われる、明治神宮大会東北地区代表決定戦(福島)に出場する。
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3年春以来の頂点だ。佐藤は歓喜の輪に勢いよく飛び込んだ。失点は7回先頭打者の1発のみ。6回までスコアボードに0を並べ、先発としての役目をしっかりと果たした。「まずは優勝することができて良かった」と安堵(あんど)の表情をみせた。
2位に終わった春から約3カ月。実戦練習と並行して、走り込みなどの体力強化に力を入れた。体内に熱がこもりやすく、乳酸もたまりやすい体質で、投球回を重ねるごとに蓄積する疲労に悩んでいた。安田慎太郎監督(39)からの「走り込んで耐性を付けよう」という助言がきっかけとなった。「走るのが苦手」だった佐藤は、積極的に走り込んで秋を迎えた。成果は顕著だった。春は6回が最長だったが、この秋はすでに2度の完投。「6、7回になってもそこまで疲れを感じなくなった」と手ごたえをつかんだ。
メンタル面でも成長を実感する。春は「スカウトの方が来ていると雑念が入ってしまい、自分のピッチングよりも、独りよがりのピッチングになっていた」。憧れの世界が近づき、本来の自分を見失った。今秋は「自分のボールを信用すること」を念頭に置く。春の敗戦後、強豪チームと練習を重ねた中で培った思考だ。
優勝を決める大一番では、大勢のスカウト陣がネット裏から見つめたが動じなかった。自分の投球を貫いて、チームのV奪還に貢献した。ドラフト会議の2日後から、明治神宮大会の出場権をかけて東北地区代表決定戦に挑む。大学野球を全国の舞台で締めくくるべく、最後の1球までベストを尽くす。【木村有優】
◆佐藤柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年(平14)11月1日生まれ、宮城県七ケ浜町出身。小学3年時に塩釜ドラゴンズで野球を始めた。中学は七ケ浜リトルシニア(現仙台伊達リトルシニア)、高校は東陵でプレー。同校では1年秋からベンチ入り。富士大では1年春からベンチ入りし、今春は5試合登板で2勝1敗、防御率1・99。179センチ、88キロ。左投げ左打ち。最速は148キロ。



