追い込まれていても関係ない。阪神佐藤輝明内野手(25)が豪快な1発を放った。2点ビハインドの7回先頭。大瀬良に追い込まれながらも低めの135キロフォークをすくった。片手ではらうように仕留める得意な形。3試合ぶりの16号ソロで1点差に迫った。「なんとかまずは1点返したいと思っていたので、打ててよかったです。もう1打席あると思うので、しっかりチームに貢献できるように頑張るだけです」。試合中のコメントから勝利への執念が伝わってきた。

23日の巨人戦(甲子園)。0-0の6回無死二塁で中飛に倒れチャンスを広げることができなかった。天王山で敗れたゲーム。岡田監督は「状況のバッティングや」と報道陣に話していた。同じような場面があれば「バント要員いかすよ」と代打を送ることも示唆されていた。確かにミスはあるかもしれない。ただ、一振りで試合を動かせる長打が魅力の男だ。この日もビハインドの場面で一撃が出た。劣勢をはね返すように雰囲気を変えた。佐藤輝はそれができる。

レギュラーシーズンは残り4試合となった。昨季は残り2試合で2試合連続本塁打。自己最多タイの24本塁打まで積み上げた。NPB左打者史上最長を更新する入団から4年連続20本塁打へ。どこまで迫ることができるか。4戦4発の強烈な追い上げなら偉業へ到達可能だ。それでも記録よりチームの勝利。「勝てなかったのが一番じゃないですかね」と唇をかんだ。

2-2の9回には先頭で右前打を放ち満塁機まではつくった。延長11回も先頭で右前打。今季8度目の猛打賞で意地を見せた。当然、諦めない。巨人が勝利したため、28日にもV逸が決まる。崖っぷちだがファイティングポーズは最後まで崩さない。「しっかりもう1回気持ちを切り替えて、できることをやりたいと思います」。真っすぐ前を見てそう言った。【中野椋】

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