「第20回関東地区大学野球選手権」が4日、横浜スタジアムで開幕する。20周年を記念し、例年の上位2校に加えて関東5連盟で1校ずつ枠が増え、全15校が熱戦を展開する。同大会を勝ち抜いた上位2校が明治神宮野球大会(20日から6日間)の出場権を獲得する。大会委員長を務める神奈川大学野球連盟の佐々木正雄氏(76)に話を聞いた。また、神奈川大学秋季リーグで優勝した神奈川大学は、悲願の日本一に挑む。他の出場校の注目選手も紹介する。
関東地区大学野球選手権が、今年で20周年の節目を迎える。記念大会の今年は出場枠が広がり、リーグ戦中から選手たちは「今年は3位まで出られるので」とモチベーションが高かった。佐々木氏は「ステージはそろっている。あとはみんながどれだけ心を裸にしてできるかが楽しみ」と熱戦を待ち望む。
10月24日にプロ野球ドラフト会議が開催され、出場リーグからソフトバンク・ドラフト2位の神奈川大・庄子雄大内野手(22)、オリックス2位日体大・寺西成騎投手(22)、巨人3位上武大・荒巻悠内野手(21)、西武育成2位神奈川大・佐藤太陽内野手(22)が指名を受けた。
ドラフト後に開催される大会で、指名された選手を一目見ようというファンもいる。「1人でも2人でも野球に興味を持っていただきたい」と話す。選手にとっては横浜スタジアムでプレーできる貴重な機会だ。大会運営については「『横浜スタジアムで頑張ってやるぞ』っていう心意気を周りの人間が崩さないように」と意識する。また「努力を怠らずベストを尽くし、意識を持って頑張ってほしい。関係者を含め『心技体』をもって、しっかり鍛錬して踏ん張ってもらいたい。ぶれない人間として野球道に励んでほしい」と話した。
昨年は関東地区大学野球選手権で準優勝した日体大が明治神宮大会で健闘。優勝した慶大(東京6大学)に準決勝で敗れるも、全国レベルの強豪を次々と破った。今年はどんなドラマが待ち受けるか。いざ、開幕する。【佐瀬百合子】
◆佐々木正雄(ささき・まさお)1948年(昭23)9月17日、横浜市生まれ。横浜第一商(現・横浜商大高)3年の夏、エースとして甲子園8強。日大3年時に日大明誠(山梨)の監督に就任。80年から横浜商大の指導を始め、84年に監督に就任。90年春にリーグ初優勝。計6度(春4・秋2)のリーグ優勝に導く。全日本大学野球連盟監督会会長、大学日本代表のコーチなどを歴任。18年に監督勇退。主な教え子は阪神・岩貞、元DeNA、阪神の山崎憲晴ら。
「活気」神奈川大の殻を破ったパワーワード!
過去、全国大会準優勝2回の神奈川大がチーム力で悲願の日本一に挑む。岸川雄二監督(51)は「野球は1人でするものではありません。選手が同じ方向を向いて、同じ目的意識を持つことが大事です」と強調する。
リーグ戦22年春以来「5季ぶり優勝」に方向を定め、8月のキャンプ(秋田・横手市)から、徹底して選手に意識付けした。用いた言葉が「活気」。「ワードには力があります。わたしも『活気』と、1000回くらい言ってきたと思います」と岸川監督は笑う。
活気ある練習、活気あるプレーが5季ぶりの優勝を手繰り寄せる。言葉と意識は表裏一体。活気=優勝の意識が浸透していった。佐藤太陽主将(4年=浜松商)は「この言葉が殻を破る要因になったと思います。春は何か乗り切れていなかったチームが、1つにまとまりました」と振り返る。
同主将が秋季リーグ戦のポイントに挙げたのは、勝ち点3とした春の優勝チーム、桐蔭横浜大戦。3―1で勝った第3戦の3点は、内野安打、押し出し四球、犠飛で奪った。「自分らのチームカラーらしい理想的な点の取り方でした」。この野球を貫き、8勝3敗、勝ち点4で、5季ぶり通算57回目の優勝達成。関東地区大学野球選手権での神宮大会出場権獲得に向かう。
岸川監督は「チームの目標に掲げている『日本一』を、選手と一緒に目指します。狙って取れるものではありませんが、最後は神宮で『おつかれさん。ありがとう』と4年生を送り出したい」と思いを語った。
今年もYouTubeで全試合ライブ配信実施
今大会は、昨年に続きYouTubeで全試合をライブ配信する。普段、首都大学野球連盟でもライブ配信を手がけている日体大野球部のメンバーが配信作業を担う。
https://www.youtube.com/@yokohamashichouhai
【神奈川大/神奈川大学1位】ソフト2位指名 盗塁成功率95%
神奈川大・庄子雄大内野手(4年=横浜)
ソフトバンクから2位指名を受けた。ドラフト会議の翌日も「まさかの2位でビックリしちゃって、まだ実感がわきません」と驚きを隠せない。遊撃始め内外野どこでも守れるユーティリティー。走力を生かした守備と成功率95%超の盗塁に定評がある。ドラフト上位指名で注目度も上がるが「学生生活最後の大会。自分の持てる力を発揮して、神宮に行きたい」。目標はもちろん日本一だ。
【横浜商大/神奈川大学2位】秋季リーグ4割3分5厘で首位打者
横浜商大・田村和希外野手(4年=大商大高)
秋季リーグでは11試合17安打(1本塁打)、4割3分5厘で首位打者を獲得。春・秋ともにベストナインに輝いた。春は2位に終わった悔しい気持ちから、チームで振りこむ量を増やした。夏の合宿(秋田県大仙市)では、夕食後に室内練習場で時間の許す限り全員で振ったという。チームのスローガンは「継承」。「初戦に勝って勢いをつけて神宮に行けるよう全員野球でやっていきたい」。
【関東学院大/神奈川大学3位】春リーグトップ21安打 下克上へ
関東学院大・木川玲外野手(4年=健大高崎)
春はリーグトップの21安打を放ち、リーグ2位となる打率4割4厘で3度目のベストナインを獲得。オリックス西川のティー打撃動画を参考にするなど、プロの打撃動画をチェックして取り入れる。今秋リーグ最終節の神奈川大戦ではチームで14安打9点を挙げ、3位で今大会出場を決めた。「3位からの関東大会出場なので、下克上ぐらいの気持ちで1戦1戦、勝ちにこだわって戦い」と力を込める。
【日体大/首都大学1位】オリドラ2位、最速153キロ本格派右腕
日体大・寺西成騎投手(4年=星稜)
オリックスからドラフト2位指名を受けた、最速153キロを誇る本格派右腕。3年春に5勝を挙げるなど、通算8勝をマークした。昨年の関東地区大学野球選手権では、決勝で上武大に敗れて準優勝。「去年は決勝戦で負けているので、今年は優勝して神宮大会に出場したい。2年連続で上武大さんに負けているので、今年は絶対に勝ちたい。1戦1戦勝ち上がっていきたいです」と頂点を狙う。
【筑波大/首都大学2位】盗塁のスタート強化、春ベストナイン
筑波大・川上拓巳外野手(3年=旭川実)
自慢の足でチームに勢いをもたらす。盗塁のスタートを重点的に練習し強化した。今秋は勝負どころでの走塁が光り、4盗塁。今春は指名打者でベストナインを獲得しており、打撃も魅力だ。3年連続での関東地区大学野球選手権出場で「去年、一昨年の雪辱を果たし、神宮に行きます ! 初回からチームに勢いをもたらすような働きをする。たくさん塁に出て、足で相手をかき乱したい」と意気込む。
【帝京大/首都大学3位】1番打者、走攻守で大暴れへ
帝京大・島野圭太内野手(4年=履正社)
1番打者として、打線をけん引する。「特に初回はチームが自信をつけられるような打撃を意識しています」。今秋は、本盗を決めるなど走塁面もインパクトを残した。唐沢良一監督も「チームに勢いを与えてくれる。数字以上の貢献度がある」と信頼を置く。リーグ戦の春秋連覇は達成できなかったが、3位で全国大会出場へ望みをつないだ。「後輩のためにも頑張りたい。走攻守で暴れたいです」。



























